第十夜
庄太郎は町内一の好男子で、至極善良な正直者である。ただ一つの道楽がある。パナマの帽子を
あまり女が通らない時は、往来を見ないで水菓子を見ている。水菓子にはいろいろある。
この色がいいといって、
ある夕方
庄太郎は元来
いかな庄太郎でも、あんまり
なんでもよほど長い電車に違いない。庄太郎のいうところによると、電車を
庄太郎は必死の勇を
健さんは、庄太郎の話をここまでして、だからあんまり女を見るのは
庄太郎は助かるまい。パナマは健さんのものだろう。
(明治四一・七・二五─八・五)
夢十夜 夏目漱石/カクヨム近代文学館 @Kotenbu_official
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