第4話 意外な入居者

私は遠野 薫、あるVtuberのマネージャーをしている。


そのVtuberは人見知りで私が始めた会った時なんて会話しずに解散したくらいだ。

そんな人見知りをする彼女も何回も接しているうちに少しずつ心を開いてくれるようになり、今では自分から相談してくれるくらいには心を許してもらえた。


そして今日私はまた一つ彼女から相談されていた。

『シェアハウスに入居したいけどあまり絡みの無い子と住むのは怖い』


彼女の両親は共働きで普段は家に1人しかいなくて寂しいらしい。

しかし……えーっとつまり一緒に入居してほしいと?

待って待って、確かに事務所としてもVtuberだけのシェアハウスとかトラブルが起きないかとか心配だけど流石に私の一存じゃ決めれないよ!


「と、とりあえず事務所と相談してみる。」

と返信し上司に相談のメッセージを送る

すると直ぐに連絡が返ってきた。


『ちょうど社長と相談してたんだ、心配だから1人マネージャーを住ませようって。ちょうどいいからお前に住んでもらってもいいか?』


ちょっと都合が良すぎない?

ま、まぁあの子が頼ってくれたなら力になってあげたいし…

「わかりました、事務所の命令ってことでナハトさんにDMを送っておきます」

『失礼な、命令ではなくお願いだ。まぁそれでいいから任せたぞ』

「了解です」


私は彼女、”白猫ブラン”に返信した


「事務所の命令で私も住む事になった、今からナハトさんにDMを送るところだ」

『わかった、許可が降りたら私もDMしてみる』

「私からブランのことを伝えておこうか?」

『これから一緒に住むかもしれないから頑張りたい』


ほんとにこの子は…

「わかった応援してるから頑張るんだぞ、ではDMしてくるよ」

『ん』


ナハトさんは…今配信してるのか。

どうせ後から見るだろうと思いDMだけでも送っておく事にした。


「突然すみません。シェアハウスの件ですが事務所からのお願いでマネージャーである私にも入居してほしいと言われました。もし可能であるなら私もシェアハウスに住んでもよろしいでしょうか。」


するとすぐに既読がつき

『大丈夫ですよ、詳しい場所や見取り図なんかを送っちゃいますね』

と返信が来た。


おかしいな、この人雑談配信してるんだよね?なんでDM直ぐに返せるの?っていうか配信ではそんな素振り見せてない…


そんなことを考えていると家の見取り図と家の写真と近辺の地図が送られてきた。

うわぁなかなか良い家だ、駅もそんなに遠くないし周りに建物も少なく畑しかないこれなら大声を出しても大丈夫そうだ。


『家具も二人がけのソファーと4人用のテーブル、テレビ、キッチンには冷蔵庫、電子レンジなど必要なものは割と揃っているので引っ越しの際は自分の部屋に欲しい物だけで大丈夫だと思います。』


4人用テーブル…5人のシェアハウスだよね?まぁ5人入居者が決まったら買いに行けば良いか。

「了解です。配信中にDMを送ってしまい申し訳ありませんでした。

 これからは一緒に住む事になりますのでよろしくお願いします。」

『いえいえ、これから一緒に住むんですから敬語は使わなくて大丈夫ですよ』


私は分かりました。っと打とうとして途中で消した

「わかった、ありがとう」

こう返信をするのが正解の気がした

『じゃあ私はこれで失礼しまーす』


この返信を見て私は無意識に頬が緩むのを感じた

そうだ、ブランに連絡しなくては

「私は無事に入居する事になったわよ」





『@2』

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世話好きVtuberのシェアハウス(タイトル募集) サーモンは白身魚 @salmons

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