磯浜市立甘木小学校6年3組 自主美園(みずぬしみその)
児童会会長選挙が近づくにつれて、2組の貴狼君と4組の増神君の対立が酷くなっています。お互いに相手の批判ばかりして、全然歩み寄ろうとしていません。
わたくしは会長選挙では、この対立を利用して漁夫の利を得て勝利しようと思います。その為に両者の信奉している本の『正しい紙の切り方 』と『正しい紙のつくりかた』両方を読んで見ました。
『正しい紙の切り方 』だと完璧な指導者に頼り切って、一般の人達は自分の考えを持たなくなってしまいます。「上からの指導をそのまま受け入れる」ロボットみたいになってしまいます。これは危険な事です。「上からの指導」であれば人を傷つける事も平気で行う様になってしまいます。
わたくしは、一般の人達が自分で考えてリーダーや規則を作るべきだと思います。
『正しい紙のつくりかた』によると、せっかく努力して手に入れた物を「余っている」と言う理由で、努力もしていない怠惰な人達に分け与えなければいけません。
これでは努力するのが馬鹿らしくなるし、怠惰な人は増々何もしなくなります。
わたくしは努力した人が正当に評価される学校社会にしたいと思います。怠惰な人はそれなりのペナルティ受けて、努力を促す様にしたいです。
そして、努力した人は自分の事だけでなく、努力しても上手くいかなくて困っている人に目を向けて、助けの手を差し伸べる様になって欲しいと思います。
選挙に勝つためには6年生のクラスだけで無く、全校児童の支持が必要です。投票権を持っている3年生以上の児童にアピールしなければなりません。
全校児童を分析すると、1組の明透さんと同じグループの人が全体の20分の1程います。この人達は絶対に貴狼君には投票しません。そこでわたくしは明透さんグループを支援すると言って支持を得たいと思います。
そして、クラスの1割を占める上位カーストの人達は増神君には絶対に投票しません。そこでわたくしは努力して上位カーストになった人達の立場を保証する事で支持を得たいと思います。
これで全体の15%の支持が得られます。
後は貴狼君と増神君の対立が過激になればなるほど中立的なわたくしに票が集まってきます。
これで、わたくしの勝利は確実です!
おわり
『正しい紙の切り方 』をよんで わたくし @watakushi-bun
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