第4話 どう叱ったら良いんだ?

下手な奴ばかりを叱るな。

むしろ優秀な奴こそ叱れ。

そうすれば、あいつでも怒られるのだからと、下手な奴は努力するようになる。


私は高校野球の監督をしている。

大学の野球部の同窓会で、先輩からそう言われた。


それからすぐ練習試合があった。

四番・キャプテンも務めるエースの白河は途中までは良かったが、終盤エラーでランナーが出て、高めに浮き始めたボールを打たれ、逆転負けしてしまった。


敢えて怒鳴った。


「白河!球が浮いてただろ!もっと走り込めと言ってるよな!適当にやるくらいなら、辞めてしまえ!」


次の日グランドに行くと、白河が黙々と走り込んでいた。他の部員はこっちへ来た。


「僕たちみんな野球部を辞めることにしました」

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