第3話 手をつないでみんなでゴール

先頭を猛烈な勢いで走っていた子がゴールの手前で立ち止まり、後からくる子を待っている。

最後の子がやってきたところで、みんなで手をつないで同時にゴール。


こういうやり方はかつて批難されていたが、今のような息苦しい競争社会だとこういうのも良いかとすら思ってしまう。


ゴールした直後、最後に走ってきた子が先生に何か言っている。

直後、1位から6位までの旗が用意されて、その子が1番の旗の所に座っている。


「一体どうなってんだよ!」

「あの子が、ゴールのラインをまたいだのは自分がみんなより一瞬早かった、と主張したんだ」


 誰かが私の声に反応した。


「おかしいじゃないか!」

「彼はやり手弁護士の息子だから」

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