第2話 速く、もっとはやく
「速く、もっと速く!」
「哲樹、走る練習しろと言ったよな。帰ってから走ってきた?」
哲樹はバッティングのセンスはなかなか良いが、足が遅いからせっかく打ってもアウトになってしまう。
だからいつも「速く、速く!」と言ってきた。
チームは勝ち進み、勝てば全国大会出場という試合。
終盤、1点をリードされた場面、哲樹がヒットを放った。
そのあと3塁までは進んだ。
まだ1アウト。
打者がレフト方向に打ち上げた。
ボールは高く上がり、少しずつ落ち始めた。
その時、哲樹がホームを目がけて猛然と走り始めた。
当然、審判もそれを見逃さなかった。
哲樹がベンチに帰ってきたとき、半ば仕方なく言った。
「お前、今日は本当に早かった」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます