第5話 人工知能に僕は育ててもらった

「練習の時間だよ!160キロを投げる野球選手に成るんでしょ」


さっきまで一緒に遊んでいたロボットに今日も怒られて、仕方なく練習を始める。

なのに、楽しくて仕方ないときには「練習し過ぎだよ」と言うこともある。


それから十余年、僕は本当に160キロを投げる投手になった。

でも、甲子園には出られなかったし、プロにも成っていない。

人工知能がトレーニングの仕方を指導したことで、僕のような選手はいくらでもいる時代になったからだ。


でも、野球をやってきて良かった。


昔ならプロに入れそうな人たちが集まってチームを作った。

試合を観に来る人が増えてきた。

その中に、気になっている若い女性がいる。


週末が来るのを楽しみにしている。

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