次の勇者になる為に──今の勇者を育てあげろ！

私は語彙と感性が貧弱なのでこの物語の大まかな流れを説明させれば、失礼を承知で言うとよくある異世界テンプレ。まぁ、それはつまり余分なオリジナリティによる混雑を意識して読まなくて済むのでむしろ長所。読み進めやすくてストレスフリー、実に模範的。読者に優しい物語ですねぇ。

しかし決してオリジナリティが無いというわけではありません。タイトルにもある通りこの物語は勇者のお供として召喚された異世界物大好きな男が自分が勇者になるために今の勇者を育てて魔王を倒させるというあまり見かけないタイプのお話。

勇者ではなく勇者のお供として召喚され、さらにはまさかの立場の奪取……ではなく交代を目的に奮闘するという考え。ある意味新しいというか、珍しいというか、利他的なエゴイズムというか……語彙が貧弱過ぎて例えが思い浮かばねぇ……。

しかもしかもです。勇者のお供としての異世界召喚は良いものの、あろうことかその勇者は女の子。さらにゲームはおろか異世界物というワードさえ知らない娯楽に白痴のスポーツ少女。
そんな彼女にこの異世界を好きになってもらうという難題まで押し付けられた！　さらにこの世界、勇者という存在にかなり厳しい模様！？
なるほど、これは無理ゲー……おまけに召喚してくれやがった女神は性格にも問題アリという始末。

主人公はこの世界を好きになってくれた勇者(予定)に魔王を倒させる(予定)ことが出来るのか。タイムリミットはもう近い…………！