最高品質の冷やし中華、爆誕
「お昼は冷やし中華食べたいなぁ」
まあこれだけ暑いと冷やし中華を食べたいと考えるのも無理はない。さっき冷蔵庫を開けた時に冷やし中華がちらと見えたし、作ろうと思って買ってきたのであろう。
「体の中から冷やしたほうがいいと思うんだよね」
誰に言っているのだ。しかも体の中から冷やすというのはあまり健康に良くなさそうに見える。これは冷たいものが食べたいという欲求に、建前をくっつけたような、人間独特の言動のように思える。
「でも野菜切ったりして大変だなぁ」
冷やし中華は
ここで冷やし中華の
まず冷やし中華の歴史について軽く触れておく。冷やし中華というのは中国由来の料理のようにも見えるが、実は日本独自のものである。此れには根拠がある。詰まり、中国料理の調理法には『麺を水で洗う』という遣り方が存在しない。麺を茹でてから水で洗い冷やすというのは日本のものなのだ。また冷やし中華のたれとして醤油だれがあるが、此れにはお酢が入っている。此れについても、たれにお酢を使うということがそもそも中国料理ではあり得ないのだ。冷やし中華の発祥は1940年代、戦後の食料不足が解消され始めた時に新しい料理として提案されたものである。発祥の地は諸説あるが、東京もしくは仙台である。
さて、冷やし中華の
「でも私病人だからなぁ。めんどくさいんだよなぁ」
「冷やし中華。レシピ。簡単」
何やらぶつぶつと
だが玉子はぜひ
卵液は卵一個ならば砂糖小さじ1、酒は多めの小さじ2/3、塩は下味程度に少々を入れる。油を引いて良く熱した
さて、
そして一分から二分ほど待つのだ。実に簡単である。待った後であれば薄焼き玉子もそんなに熱くない。手を添えて切れる程にはなっているのだ。あとは細く切るだけである。
そして
「そうか!!!!」
びくっ!
としてしまった。
ではないか。まったく。
急に大きな声を出さないでもらいたい。一体何なのだ。
「今のうちに切っちゃえばいいんだ」
主はそう言うとがばっと起き出し、台所に行って鍋にお湯を張り、ゆで卵を作りながら胡瓜やらハムやらを冷蔵庫から取り出した。そして胡瓜を
「冷やし中華!はじめました♡」
どうやら昼飯のために今から冷やし中華の準備をしておく
「作り始めました♡」
誰に説明しているのかわからないが、
しかし、この遣り方自体は感心と言わざるを得まい。料理店などでもお客に料理を手早く出すために仕込みというのをやるが、こうしておけば
ぽりぽり♡
主は
えへん。つまり食べたい時に麺さえ茹でれば食べられる状態にしておきやすいというのが冷やし中華である。
後は麺を茹でるだけという形に
だが冷やし中華における麺というのは、一つ重要な点がある。此れだけ語っておき、終わることにしよう。
冷やし中華を旨いと感じる重要な点の一つが、麺の冷え具合である。冷やしたスープがなみなみとあるわけではないので、麺はそれ以上冷えない。
しかし麺だけは別である。食べる直前に熱湯で茹でているのだ。その熱々の麺を如何に「冷やし中華足るべき冷えた麺」として完成させらるるかが冷やし中華の質を高める最大の障壁となる。ここを間違えると
それではこの最高品質の冷やし中華を作るための裏技を、此処でも其れを駆使していくことにする。
用意するものはもちろん冷えた水である。これは水に氷を入れた
そして肝心の冷やし方だが、茹で上がった熱々の麺をそのまま氷水や冷水に入れるのは感心しない。まずは麺を
そして手で軽くもみながら粗熱を取り、良い頃合いになったと思ったら、
「そうか!!」
うおっ。
なんだ。寝言か。
まったく、寝てても油断のならない
では最後に、他の
さあ、そろそろ吾輩も一眠りすることにする。まあ大体言いたいことは言い切った。
吾輩はグルメである 遥風はじめ @hajimeck
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