物語の開始時点ではおばあさんだったヒロインが、〝肉体が若返っていく〟という呪いを受けてしまい――
そんなインパクトのあるスタートから始まり、「常に肉体が逆行している」という特性上、肉体的に〝パッシブ:肉体自動再生〟があるなど異能とも呼べる能力も付随!
けれどこの物語の本当の見所は、逆行ヒロインの〝心に刺さる〟生き方。
〝自分だけが若返り続ける〟ゆえに、出会う人、時代、その全てと〝すれ違う〟という、その切なさ……。
たとえ大切な人が出来ても、ずっとそこにいたくても、長くは留まれない。
〝すれ違う〟――作中でも表現されているこの言葉に、物語を読ませて頂いている間中、惹きつけられてしまうことは必至です。
読めば必ず、心に刺さる……本当に面白くて、オススメです!
※これは個人的な感想ですが、初めにおばあさんだったヒロインが若返っていくことで時代が進み、「おおおっ、現代ファンタジーになっている~!」というストーリー構成、お見事だと思いました!
僕はこの作品を少し前から読み始めています。
漢字二文字の潔いタイトル、これを見て、匂い立つモノがありますよね。
さて、少しだけ僕の話。
皆様、物語を書く時に何が最重要であるか、ご存知ですか? カクヨムにいる人達は絶対に知っているとは思います。そうです、現在のラノベの世界では間違いなく「キャラクター」です。キャラに魅力さえあれば、テンプレストーリーであろうとまるで新機軸のように世間に歓迎されてしまいます。
そしてこの作品は、そのキャラクターが全て素晴らしい! と僕は思います。
ついでに言うなら、この作品の独創性、展開のアングル、それらも全て非凡なのです。わかりますか? 凄い作品ですよ(^^)/
ただし、注意点が少し。
一般的な長文タイトルで誰にでもわかりやすく、そしてストレスフリーな作品を期待してはいけません。その代わり、この作品には途轍もなく深い味わいが隠されています。そこを是非味わってほしい。決して文学的で活字中毒な作品ではないのでご安心を。
この作品に注入されている様々なセンス、それらが得てして尖ってしまいがちなモノでも、とてもバランスよく、そして軽快にまとめられ書かれているのです。こんな事が軽々出来る作者様は中々おられません。特に第一章に入った所から、そのセンスが爆発してゆきます。僕はびっくりして、このレビューを書いています。
だからお勧めさせて下さい。
この非凡な才能をカクヨムの大海に埋もれさせてはいけません。
是非、皆様も一読されてみて下さい。
宜しくお願い致します。