芋!芋!芋!

 ・大好きな作品『召喚士が陰キャで何が悪い』の著者である『かみや』先生の作品ということで読んでみました。

 ・第3回HJ小説大賞後期「ノベルアッププラス」部門の受賞作品です。受賞作品ということで書籍化が確約されています。

 ・追放から始まる物語。あらすじにも書いてある通り『スキル【芋】』ってなんですか!? と初っ端から読者を惹きつける、なんだろうって思わせる文章の魅力や導入の仕掛けがあります。

 ・黒乃さんと白銀さんの登場では『黒』と『白』で何かありそうな予感がぷんぷんしました。そして自分は白銀さんのぽわぁ〜っとしたやる気のない感じが好きです。もちろんおどおどとして実りに実ったたわわの持ち主である黒乃さんも好きですが。白銀さん小さくて可愛い。守ってあげたくなっちゃう不思議な魅力があります。あと自己紹介の時に北欧の方だとわかって驚きました。

 ・死んでも終わりじゃない異世界。拠点に送還される転移者。これまた物語を面白くしてくれそうな設定、そして作者様が得意な設定でもありますね。安定、そして安心して読んでいけます。

 ・ダンジョンにも色々種類があるのは知っています。その中でもアイテムダンジョン。しかも芋! ペレ芋のダンジョン! つまりペレ芋の世界! その世界に入りペレ芋を採取するのがレオンのスキル! モンスターも普通に出現する世界です。このスキルが明かされた時点では今後どのように展開していくのかめちゃくちゃ気になりましたぞ。『あの時流した涙を返してほしい』の言葉にはちょっと笑ってしまいました。

 ・己の役割を、ここにいてもいいんだよという意味を、理由を、見つけるため、証明するための黒乃さんと白銀さんの初陣。とても良かったです。

 ・ばるんばるんと盛大に揺れるおっぱい。黒乃さん。ありがとう。もっと採取してください。

 ・要零音 (かなめれおん)でカメレオン。『黒乃さん』と『白銀さん』の名前の色に意味があるのなら、カメレオンの要零音は何色にでもなれる的な意味合いがありそうですね。今は落ちこぼれとして少しでも背伸びをするために仮面を被るという意味かもですが。きっと作者様には何か考えがあると思います。登場人物の名前ひとつひとつにこだわっていそうなので、そこにも注目しながら読むととっても楽しいです。

 ・デウス・クレアトール、ターシャリボディ、なんだかかっこいい名前ですね!

 ・ペレ芋の意思。その謎の女性の声の正体とは? 未来のミシェーラさん? お母さん? 妹? それとも未来の黒乃? 未来の白銀? なんてめちゃくちゃ考えましたが、答えは見つかりませんね。その答えはいずれ読んでいくうちにわかることになるでしょう! めちゃくちゃ気になる要素が増えましたぞ。これは面白い。と自分が感じていた時、読み進めていくと、レオン自身がミシェーラの声と謎の女性の声が似ていると感じていた。おお! これはミシェーラの声で確定で良いのではないでしょうか? だとしたら未来? 現代? 過去の可能性は薄そうだな。ミシェーラ=妹とか、ミシェーラさんが芋の妖精とかの可能性は……いや、考えすぎかもしれない。とにかく面白い仕掛けで読者をたっぷりと楽しませてくれてます。

 ・主人公の苦悩、弱さ、環境の変化、寂しさ、辛さ、ありとあらゆるマイナスの面、ネガティブ思考、どれもがしっかりと伝わる文章力で感情移入が半端ないです。悩みに向き合い答えを探す姿勢はとても良いです。だからこその優しさや強さもあると思います。胸を張って生きることの大切さを学べます。

 ・生きるために必要なものは『希望』。このミシェーラ言葉は名台詞と言っても過言ではありませんね。『ものごとには表と裏があります』ってところも好きです。

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