適材適所。この言葉が実に響く。

主人公は稀有な固有スキルを持っていたものの、勇者パーティーに所属していた時はその真価を発揮することが出来ず、荷物持ちとして甘んじていたものの放逐されたところから物語が始まります。

前々から厄介になっていたシスターのところに行った時、彼は出会います。他の生徒達から役立たずの扱いを受けていた少女達と。ここから彼の運命が徐々に変わっていくのです。

本作の主人公である要零音はよくある物語の主人公のように強い意志や決断力を持っているという訳ではありません。どこにでもいるような学生です。悩み、迷い、自己嫌悪に陥ったりすることもある人間です。けれど誰もが持ってるような優しさを彼も持っています。それが誰かを助け、ひいては自分を助けることへと繋がっていく。そして一歩ずつ着実に前に進んでいく優しい物語です。

またこの物語はそれだけではなく、初めて固有スキルで生み出せるアイテムのダンジョンをクリアした時から始まる謎もまたこの物語を彩る魅力となっています。

どこにでもいるような少年少女の、彼らが残した足跡をのぞいてみませんか？