第13話 イタリア語教室を卒業したというお話。始まりがあるものには終わりがある……。

 たった一人の部下が年末に帰国するので、仕事が緊迫してくる。

 なので、負担を軽くしておこうと、イタリア語教室を卒業させてもらうことにした。


 2h授業×56回=112時間履修。

 一応、「修了証」みたいなものをもらったけど、公的な意味はない。

 お疲れさまでしたってなもんですな。


 最後に当たって教室を改善するために、こうした方が良いというアドバイスはあるかと聞かれた。


 ・何人も教師が変わると、そのたびに何を教えたのか、どこまでやったのか、不明になって面倒くさい。

 ・今週仕事で何をしたとか、どこに行ったとか、聞かれるのは好きではなかった。

 (仕事の内容は、守秘義務で話せない。イタリアには仕事に来ているので、変わったところには出かけない。夜は危なくて、出歩けない)

 ・政治の話題、宗教の話題を振られても、複雑すぎて答えにくい。

 

 てなことを、この際ぶちまけた。


「それは、会話を引き出すためにやっていることだから、仕方がないよ」


 的なことを言われた。


「それは分かっているが、初心者に複雑すぎる話題を振っても練習にならない。買い物や、食事、乗り物や旅行など、シチュエーションを設定して模擬会話をするなどの練習方法もある」


 と、口答えしてやった。


 要するに工夫が足らんのじゃあ。


(タイ語の先生はえらかったぞー。プライバシーに触れなくとも、いくらでも会話練習をさせてくれた。お前らシステムを持っとらんのじゃ)


 と、心の中で叫んでおいた。


 今夜は一応、卒業祝いで祝杯じゃあ!


 ◆◆◆


 そんなこんなの2年間でした。

 L'italiano è molto difficile.


(おわり)

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【カクヨムコン8】ナポリ式イタリア語会話学習日記 超時空伝説研究所 @hyper_space_lab

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