第14話:ひきこもり、リセマラ配信する(耐久)
とある日の昼下がり、紫苑はいつもの如くネットサーフィンをしていた。
「ふーん...あそこの会社新しいゲーム発売したんだ...」
あの会社、とは紫苑がプレイしているゲーム《サバイバーズギルト》を販売している
会社である。ちなみに株価は急上昇中(勿論紫苑も株主)
「今回はオープンワールドの冒険ゲー...かなるほど防振〇ね理解した」
まぁ...防振〇とは言ってもスキルやシステムは違うのだが。
防振〇やS〇Oのような感じだと思ってくれ(切実)
「さて...買うか!」
紫苑は暇人...もといゲームジャンキーなのでプレイしていないゲームの方が少ない。
ゆえに新作ゲームを買わないという選択肢がまずもってない。
「え!?発売からもう2週間!?」
2週間前――ちょうど紫苑がvtuberとして本腰を入れ始めたころである。
活動で忙しくなり、ニュースや通知を見る時間がなかったのだ。
紫苑が知らなかったのも至極当然と言える。
「くっそぉー乗り遅れたぁー!」
そういうと紫苑はこの会社のゲーム専用のギアを取り出しゲーム...
とついでに配信を開始した。
《コメント》
・ゲリラ配信きちゃ
・なんか急に配信始まったな
・なにこれ?
・あーサバギルのとこの新作か
・あーあれね
「みんなこんなぎー!突然ごめんねー!今気づいて今買ったから完全初見の配信
だよ!」
《コメント》
・今買ったwww
・決断力とフットワークの鬼w
・さて...どんなキャラメイクをするのかな?
・謎の上から目線w
「えーっと最初は...プレイヤー名だね!銀鏡...渚っと!」
《コメント》
・次が重要
・
・普通ここでリセマラするが
・流石に配信中にせんだろww
「さーて何が出るかなー」
Cランク祝福
身体能力上昇
「Cランク?ふーん...最高でSSS...すぅぅぅぅぅぅぅ...」
《コメント》
・あーはずれかぁ
・流石にしないよな?リセマラ
・流石に...ねぇ?
「うーん...よし!リセマラしまーす!SSS出るまでリセマラしまーす!」
《コメント》
・知ってた
・やるんかいww
・SSSって結構低確率だったと思うが
・まぁでも引ければオンリーワンだしなぁ
「よーし、それじゃあ行くよ!」
2時間後
「おおおお来たんじゃないこれ!?」
《コメント》
・SSS確定演出きちゃぁぁ!
・ガチでリセマラしたよ...
・さて、何が来るかな?
SSSランク祝福
万物固定 Lv1
「万物固定?」
《コメント》
・万物固定ぃ?
・うーんまぁ大体名前から察しはつくが
・使いようによってはかなり強そう
「まーとりあえずSSSは引いたわけだし...次のステップ行こっか」
スキルガチャ
《コメント》
・序盤のスキルって結構大事だからなぁ
・いくらあとから手に入るとはいえねぇ...
・ゆーてSSS引いてるから別にあんまり問題ないような気もするが
「さーて...何が出るかなーっと」
紫苑がそういうと、紫と黒のオーラをまとった、なんか妙に禍々しいやつ
を引いた。
セットスキル:狂戦士
・
・
・可変式大剣:
「なぁにこれぇ」
《コメント》
・んーこの配色は
・狂戦士かぁ
・セットスキル外れ枠ww
・火力は高いんだけどなぁー
・それ以上にデメリットがデカすぎるんよ
「んー?あーなるほどぉーこの中でまともに使えるのって
メメントモリだけなんだ」
《コメント》
・そこなんだよなぁ
・代償強化は火力幅がエグイ分体力の持ってかれ方もエグイし
過剰摂取は他のスキル使用時にしか使えんしなんならさらに
体力もってかれる
・長文乙
・メメモリも体力もってかれるけど他二つに比べて少ないし
なんなら武器スキルではトップクラスに強い
・↑確か大剣系統では最高火力じゃなかったか?
・そそ
「おーキャラのステ振りの前に祝福とスキルの試しができんのね」
《こめんと》
・これで万物固定の内容が見れるわけか
・概念系統だから相当強いと思うが
・実際見てみないとわからんな
「みんなちょっと試したいことあるから一回見えなくするね?
僕の予想が正しかったら結構強いスキルだから」
《コメント》
・なん...だと
・え、お預け?
・見せてくれよぉ!気になるじゃんよ!
「だーめ、あとでチュートリアルあると思うからそこで見せるから、ね?」
《コメント》
・しゃーねーなー
・早く戻って来いよ
・どんなんだろうな?
・コメントで考察する?
・↑賛成
「じゃーちょっと待っててね!すぐ戻るから!」
そういって紫苑は一度マイクをミュートにし、配信に自分で描いたイラストを
貼り、祝福とスキルの内容を確認しに行った。
◆◇◆◇◆◇◆◇
「さーてと試してみるか、万物固定の性能とやらを」
紫苑は祝福を発動させようとする
「万物固定って言ってるんだからさ...HPのゲージも固定できるよね?」
紫苑が祝福を発動させると、HPゲージが仄かに薄い灰色を纏った
「お?これは成功したってことでいいのかな?」
紫苑は試しに近くにいた
HPゲージ
100/100 → 100/100
「おおおおおすっっっっご!」
紫苑は自分の思い通りに祝福を発動できたことに歓喜した。
「えーっとこの状態で代償強化を使うと?」
HPゲージ (代償強化)(過剰摂取)
100/100 → 100/100
「おおおおおマジでぇ!?つっよ!?」
万物固定の効果により、紫苑のHPゲージは100/100で固定されているため
敵の攻撃はおろか自身のスキルによる自傷効果も無効化してしまうようだ。
「あと何かしら...固定する...いや止めれるもの...」
ハッっと紫苑が何かに気づく
「止めると言えば...時も止められるの?」
紫苑は時を止めようと...能力を発動させる。
すると、世界が灰色に変化した
「すごい...すごいよ!これ!強すぎでしょ!?」
そこで紫苑はあることに気づいた
「あれ?HPゲージが元に戻ってる?」
そう、紫苑が時を止めた瞬間...それと同時にHPゲージの
固定が解除されていたのだ
「たしか万物固定Lv1ってなってたよね...つまりこのレベルを上げたら
同時に固定できる数も増えるってこと?」
その後紫苑は一通りの検証を終え、配信を再開した。
「みんなー待たせてごめんね!さて、続きやろっか!」
《コメント》
・まってた
・どうだった?
・何をしたんだ...
・そこ気になるよなぁー
「結論から言うと予想通りだったよ!やばい、この祝福すごい強い...」
《コメント》
・マジで?
・楽しみだな
・教えてクレメンス
・はよはよー
「まだおしえなーい!ほらっ次のステップ行くよ!」
◆◇◆◇◆◇◆◇
用語解説入ります(ほんのり塩味でネタバレあり?)
animus aeternum:今回のゲームのタイトル。剣も魔法も機械も兵器もなんでも
ある世界。
祝福:animus aeternumを始める際にプレイヤー全員に配布される特殊能力
ランクがC~SSSまであり、SSSのスキルは全て万物から始まる
名称となっている。また、ゲーム内で手に入れることはできない。
スキル:animus aeternum内に登場する特殊能力だが全て共通して祝福よりも効力が
弱いが、その代わりにゲーム内でいくらでも入手することができる。
なお、重複して同じスキルを所持することはできない。
セットスキル:特定のスキルを複数所持すると入手することができる。
セットスキルは共通して何かしらの職業の名前となっているため
別名職業スキルとも呼ばれる。
成長性:ゲーム開始時に設定することのできるステータスの上昇のしやすさの数値
C~SまでありCは全く成長しない、Sは少しやっただけでも数年分の成長
となっている。
ステータス:このゲームではHP、攻撃力、防御力、魔法攻撃力、魔法防御力、
スピード、魔力量、魔力練成度を指す
その他気になるところやおかしなところがあれば教えていただけると恐縮です。
◆◇◆◇◆◇◆◇
最後までご覧いただきありがとうございました。
誤字脱字、日本語のおかしなところがあればご指導ご鞭撻のほど
よろしくお願いします。
ブックマークや★、コメントをくださるととても嬉しいです!
それではまた!
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