第9話:ひきこもり、イラスト配信をする。

午後9時

紫苑の私室


「みなさんこんちゃー!クロノスタシス3期生の銀鏡 渚です!

 今回はイラスト配信なんですが、視聴者参加型です!」


紫苑はいつものごとく自分に暗示をかけ、銀鏡 渚の状態で配信をしていた。

慣れるまではしばらく、自分に暗示をかけるだろう。


「今回使うのは《お絵描きの里》!友達とお題を決めあってそのお題に会った

 イラストを描くイラストでする伝言ゲームだよ!」


《コメント》

・お絵描きの里!

・天音のイラストが見れるのか!

・今回のサムネ凄かった!

・それ

・ガチ神イラストだった


「みんなありがとー。あと僕は天音じゃなくて渚だよ!」


《コメント》

・そうだな

・ごめんごめん

・なぎちゃー

・なぎちゃー!

・なぎちゃ?

・?なの草


「んー許す。早速やっていこうか。」


《コメント》

・入れ入れ入れ入れ

・入れた!

・よぉーし!

・こいつらすげぇ...ガチ勢だ...


ゲームが始まる。お題を決める画面に移った。


「どんなお題にしようかなー」


《コメント》

・なんか鬼畜なのが出てきそう

・いやいやまさか

・なぎちゃは優しいから...

・そうそう

・画力恵まれん人にも描けるぐらい優しいやつを出してくれるさ


「しょーがないなぁー。ちょっと優しくする。あ、参加してる子は

 お題見ちゃダメだよー」


《コメント》

・ありがてぇー!

・感謝...

・救われた...

・ふぅ...

・↑賢者タイムか?

・www

・コラっ下品でしょ!

・へへっさーせんw


「じゃーお題はー、リオレ〇ス!」


《コメント》

・は?

・は?

・は?

・今なんて?

・リオレ〇スつった?

・優しいとは


「だいじょぶだいじょぶ、気合で何とかなるよ!」


《コメント》

・無理だァ

・火竜なんて描けるわけねぇww

・南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏

・まさかなぎちゃお前...描けるのか?


「え~描けるよぉ~?描けないのに他の人に描けなんて言うわけないじゃ~ん」


《コメント》

・これがガチ勢...か

・勝てねぇ...

・いやいや、嘘かもしらんし...


「え~っと、僕のお題は...リム〇・テンペ〇ト(人擬態)か、センスいいね!」


《コメント》

・センスいいとはww

・普通にきついんだよなぁ

・リム〇ww

・しかも制限時間30秒w

・姿指定ってマ?

・ほら、スライムは簡単だから...


「ん~確かこんな感じで、ここがこうで~こうっ!」


《コメント》

・ちょ待てよ!(キム〇ク風)

・セリフとテクニックがあってないww

・ここがこうが一番意味わからんww

・セリフだけ聞くと画力皆無

・逆に画面だけ見ると神がかってる

・こわww


「よし、できた!こんな感じだったよね?」


《コメント》

・こんな形というかまさにこれ

・模倣とかいうレベルじゃねぇww

・もはや神の御業

・こいつ...人間か?


「よし、次はイラスト見てタイトルだよね!...なにこれ?」


《コメント》

・な に こ れ

・わからん

・花?いや動物...建物はないだろうが...

・んーわからんw

・わかる方がおかしいww

・これマジでなんだ?


「これもしかして...あーここがこーなってるから...これだ!」


《コメント》

・は?わかったん?

・え?

・マジで?


「多分ハエトリソウかなー」


《コメント》

・ハエトリソウ?

・まさかの食虫植物ww

・わかるわけww

・とっさに出るもんじゃないww


「ここが緑色で二枚貝みたいになってるからそうかなーって」


《コメント》

・じゃあこの黒いの...ハエ?

・えぇ...

・なるほど?

・わk...わかっ...わからんな

・ニキ諦めんなwww

・でも気持ちはわかるww


「こんどはまた描く番だね。こんどは...はぐれメ〇ルだね。」


《コメント》

・うーん

・難しいような、そうでもないような

・描けなくはない

・リオレ〇スよりはまし

・それはそう

・結局あれはどうなったのだろうか...

・どうなってんだろうなww


「はい、まーちょちょいとね。」


《コメント》

・言ってる間に描き終わってるww

・速いんだよぉ!

・マジでなんなん...

・これには絵師も涙目


「どんどん行って、今度は回答だね。うーん、3つ黒い円があるから

 お察しなんだけどさぁ」


《コメント》

・ハハッ僕ミ〇キー!

・僕と一緒に遊ぼうよ!

・だが、断る

・なにぃ!?

・「じゃあお嬢ちゃん僕と遊ぼうよ」ニチャア

・もっとダメな奴来たww


「せいかいはっぴょ~!僕のリオレ〇スはどうなったかな!」


リオレ〇ス→トカゲ

食虫植物→マスキ〇パ

スライム→はぐれメ〇ル

リム〇・テン〇スト(人間擬態)→スライム

ミ〇キー→ミ〇キー


「ん~やっぱりミ〇キーは強いね!ちょっとリオレ〇スがトカゲになってんの草ぁ」


《コメント》

・リオレ〇ストカゲになっとるww

・翼はいずこへ

・マスキ〇パww

・ポケ〇ンww

・なんで出てくんだよww

・こっちが知りてぇよ!

・参加者ニキ来た

・どうだった?

・THEカオス

・草


「よーし、第二回戦いこー!」


そのあと1字間半ほど、紫苑はイラスト配信を続けた。そして、

配信が終わったころには、紫苑は疲れ果てていた。


「あー疲れた...最近やってなかったから2時間でもこたえるね...」


体に異常が出ることはないが疲労は溜まる。だがそこは紫苑、プロだ。

自分自身の息の抜き方、疲労の発散、ストレスの発散方法は熟知している。


「久しぶりに...滅茶苦茶寝るか...」


滅茶苦茶、といっても紫苑は元々ショートスリーパーのため長くても

10時間程である。まぁ、その分週に一回ほぼ丸一日寝ているのだが。


「ん、着信。最上さんか...ん、《サバイバーズギルト》ってやってる?

 やってるなら一緒に配信しよ!...か。」


《サバイバーズギルト》はもう説明したのでいいだろう。

ようは蒼芭から紫苑へのゲーム実況コラボのお誘いである。

まぁ、涼葉に積極的に絡むと言った手前断る理由もない。


「えーっと、やってます。いつやりますか?っと」


紫苑が返信をすると、すぐに返事が返ってきた。


「んーっと、じゃあ明日!...てあ、明日!?」


こうして紫苑はデビュー3日目という異例の速さで

同期とコラボすることになったのだった。


「ん~!紫苑君とのコラボ楽しみだな!」



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

最後までご覧いただきありがとうございました。

誤字脱字、日本語のおかしなところがあれば

ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いします。

ブックマークや評価をつけてくださると嬉しいです!

それではまた次の話でお会いしましょう。

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