第10話:ひきこもり、コラボ配信をする(前編)

すいません、私の表現したい紫苑の凄さを伝えるためには

《サバイバーズギルト》をVRMMOにしたほうがよいと考え、

変更となりました。申し訳ございません。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


次の日

紫苑の私室


「今日は最上さん...フェリスちゃんか。とのコラボか...」


そう言いながら、紫苑はパソコンでクロノスタシスのグループチャットを開く。


「緊張する...でも、楽しみだな...」


言わずもがな、紫苑が人と会話をしながらゲームをするのは初めてである。

なので紫苑は、割と楽しみにしていた。


「あと1時間くらい...か」


時計の針を見ながらそう呟くと《サバイバーズギルト》を開く。

勿論配信はしていない。あくまでもウォーミングアップだ。

紫苑は訓練場に入り、キャラクターを動かす。


「...うん、最近やったばっかりだからあんまり鈍ってないな...」


《サバイバーズギルト》にはランクシステムがあり、上から

☆☆☆☆☆☆☆ジョーカー

☆☆☆☆☆☆エース

☆☆☆☆☆キング/クイーン

☆☆☆☆ジャック

☆☆☆マルチ

☆☆デュアル

シングル

となっている。ちなみに、ジョーカーはエースの中の上位5%に与えられる

ランクである。勿論、紫苑はジョーカーである。

紫苑はウォーミングアップが終え、《サバイバーズギルト》を閉じた。


「っと、そろそろ時間だな。配信は確か、最上さんでもやるんだったよな。」


今回の配信は片方のチャンネルにゲスト参加するのでなく、同時配信である。


「お、立ち絵が送られてきた。僕も送るか。」


蒼芭から送られてきたと確認のチャットが来たので、紫苑はYESと返す。


「...よし、時間だな。」


そう言って、紫苑は配信を開始する。


「みなさん、こんちゃー!クロノスタシス3期生の銀鏡 渚です!」


《コメント》

・きたか、なぎちゃ

・なぎちゃ初コラボおめ!

・おめでとー!

・おめー


「おーコメントも言ってるね!今日はフェリスちゃんと《サバイバーズギルト》

 をプレイするよ!」


《コメント》

・ひきこもりにはきついぞ

・やめとけww

・流行ってはいるがww

・このゲームの為に運動を始めた陰キャもいるくらいだぞw

・でもこれでなぎちゃのIQと運動神経がわかるから


このゲームは基本スペックが現実とリンクされており、それにプラスして

そのキャラにあった補正がかかるのだ。魔法で使う魔力はIQ、

その他のステータスは運動神経で決められる。



「みんなーこんネコ!フェリスだぞー!」


《コメント》

・フェリスちゃんきた!

・こんネコ!

・今日はキャリーよろしく!


「おー任せとけ!私このゲーム自信あるから!」


「フェリスちゃんランクなんなの?」


「ふっふっふ...クイーンだよ!」


「ほへー、私(このアカウントで)初めてやるんでよろしくね!」


「任せろ!じゃあなぎちゃの基礎ステを見ようか!」


「わかったー」


紫苑はゲームを立ち上げ、測定を済ませる。

少し経ち、測定結果が表示される。

測定結果

IQ:193

運動神経:SSS


「ほへ...?」


蒼芭から呆けた声が出た。コメントも嵐に包まれる。


《コメント》

・???

・は?は?は?

・意味わっかんねぇwww

・運動神経SSSってなんだよww

・いやIQも意味わかんないぞ?

・193とか意味わからんww

・金〇一涙目不可避ww


「IQは先天的なものがあるからまだしも...運動神経SSSって何!?」


「うーん、ひきこもってたらどんどん運動できなくなりそうだったから。

 家で運動してたんだよねぇ...それのせいかなぁ...」


《コメント》

・家で運動()

・はーんなるほど、つまり変態か

・もうダメだ、俺には理解できん


「き...気を取り直して再開しよっか!」


「おっけー」


「使いたいキャラとかある?私はねーこの子使ってるんだ!」


そう言って蒼芭は人型の機械を選択した。


《コメント》

・あーマキナか

・確かに強いよなぁ

・バラエティ豊富だし

・だが逆に言えば新規プレイヤーに強キャラを使わせないとも見受けられる

・その言い方やめいww

・さて、なぎちゃはなにを選択する?


「じゃー僕はねーこの子にしよっかなー」


「そ...その子はやめたほうがいいんじゃないかな...」


紫苑は堕天使ルシフェルというキャラを選択していた。

無論、紫苑が本当のアカウントで使っているキャラクターである。


「えーなんでー?」


「あんまり言いたくないんだけどそのキャラあんまり強くないんだ...」


《コメント》

・まさかのルシフェルww

・うーん微妙

・シューティング要素強めのゲームで銃使えんのはなぁ...

・でも、渚なら案外...?

・魔力馬鹿みたいにあるだろうしなww


「やってみなきゃわかんないよ!」


「うーん、まぁそうだね!」


紫苑たちはマッチングを開始する。

およそ1分後にマッチに参加した。

紫苑と蒼芭の使用キャラがこちら

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

紫苑の使用キャラ

堕天使ルシフェル

使用できる攻撃手段:近接格闘技、聖、闇魔法

パッシブスキル:他キャラの1.5倍の威力で魔法が使える。

        手にした武器が魔力に変換される。

        ※捨てられた武器、棺桶デスボックスの武器のみ

         また、1つまでホールドできる。

アビリティ:聖/魔なる槍グングニル

      魔力でできた槍を好きな方向に投擲する。

      ※リチャージ時間:60秒

アルティメットスキル:堕天フォールン

           隠していた12翼を出現させ、空中から聖/闇混合の 

           極大魔法を放つ。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

蒼芭の使用キャラ

AI-マキナ

使用できる攻撃手段:近接格闘技、剣技、銃

パッシブスキル:範囲内の敵を一人補足する。

        敵のアーマーゲージ、残り体力が透ける

        初期装備でライフルを持っている。

アビリティ:AXIAミサイル

      マルチミサイルを撃つ。

      ※リチャージ時間90秒

アルティメットスキル:空中飛行スカイダイブ

           もう一度スカイダイブすることができる。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「よーし、どこに降りよっかーなぎちゃん行きたいとこある?」


「ここは先輩に任せよっかなー」


「じゃーここ!」


「広くていいねー」


蒼芭が指したのはマップの中央部、激戦区と呼ばれるところだ。


《コメント》

・初手激戦区ww

・わかってんねぇ!

・ああ、ここが新人潰しか

・失礼すぎん?


紫苑たちはそれぞれ別々の建物に降りる。と、紫苑が降りた場所に敵がいた。


「これって思いっきり殴ってもいいんだよね?」


「いいよー」


《コメント》

・あれ、魔法キャラ使ってないのか?

・こんな堕天使は嫌だww

・あれ、ダメージ凄くね?

・すげぇ素手でダメージ50だww

・ルシフェルって近接に補正あったっけ?

・雀の涙ほどだが

・たしか1.05倍だったはず

・ひっく

・その分魔法の威力1.5倍だぞ

・ん?てか相手銃だよな?

・ノーダメージの変態がいるww

・全部避けてるキッショww


「ほいっ、よっせいっ!」


「あれなんか渚ちゃん1ダウンさせてる...」


「フンッ!」


後ろから戦斧バトルアックスを持った大男が攻撃を仕掛ける。

それを紫苑は軽々と避け、魔法を使用する


「【聖なる光ホーリーライト】」


【聖なる光】は魔族のキャラには有効な攻撃手段だが、それ以外は

ただの目くらましである。


「ぐぅ...目がぁ...!」


「甘いねー」


即座に紫苑は6発の攻撃を相手の腹部に叩き込む。

このゲーム内での最高HPは300なので、アーマーが最低限だった大男は

キルされた。たった今紫苑がダウンさせた敵の仲間だったようで

ダウンモーションはない。


「...あれ、普通に渚ちゃん強くない?」


「へへへ...それほどでも...」


「褒めてるからなにも言えない...」


その調子でどんどんキルを重ね、紫苑たちは勝者チャンピオンとなった。


「ねぇ、みんな。」


《コメント》

・なに?

・なんぞ?

・どうかしたのか?

・言いたいことはわかるが


「キャリーしようとしたら逆にキャリーされた件」


《コメント》

・草

・www

・てか動きが初心者じゃないww


「そうそれっ!絶対渚ちゃん《サバイバーズギルトこれ》やったことあるよね!?」


「えへへ...じつはやったことある...」


「やっぱり...ランクは?」


「じゃあ本アカに変えるね!」


「おっけー」


「ここをこーしてっと...ほい!」


「はぁ!?ジョーカー!?」


《コメント》

・そら強いわww

・だってジョーカーだもん

・流石に上位5%は予想外ww

・てかあの勲章バッジ...

・は!?

・グランドマスターw


「え!?グラマス!?...ほんとだ...渚ちゃん凄いよ...」


「このバッジはこの前とったんだー。苦労した...」


《コメント》

・そら(普通に人には)そう(到底できない)よ(ことだから) 

・言葉が出ない...

・大会とか出てそうだが...

・ひきこもりが出てるわけないんよなぁ


「んーまいっか!続きやろ!」


「ん、そうだね」


二人のコラボはまだ続く...


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

AI-マキナのアルティメットスキルとかはAP〇Xのヴァルです。はい。


最後までご覧いただきありがとうございました。

誤字脱字、日本語のおかしなところがあれば

ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いします。

ブックマークや評価をつけてくださると嬉しいです!

それではまた次の話でお会いしましょう。



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