転生したけど、チートなし。知力勝負で経済に挑む、骨太の物語!

主人公は異世界転生したものの、特別なスキルも容姿も言語の翻訳機能すらなく、現代日本で身に付けていた基礎学力(それも抜きん出ているわけではない)だけをアドバンテージに、生きていくことになる。

異世界の低い文明基準、そこで生きる人々が営むその日暮らしに近い社会、獣人と積み重ねてきた歴史……厚みのある世界観が、確かな筆力で鮮やかに描かれる。ご都合主義を許さない展開と説得力は、流行りの異世界転生ものと括るには惜しいほど。

物語はまだ序盤。街の商売を牛耳る悪徳商人に、現代経済の知識で盤面をひっくり返そうと挑んでいく。主人公が、自らの境遇を変えるために、どんな手を打っていくのか。仲間たちの活躍とともに、今後がとても楽しみだ。
サブタイトルの意味が分かるときが待ち遠しい。

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