20230908 昔住んでいた家
以前より、よく夢で見るシチュエーションがあった。
それは過去に住んでいたアパートが出てくる夢だ。
二十歳の頃、私は一人暮らしをしていた。
自分で稼いだ金で住む初めての一人暮らしのアパートだった。
築30年くらいの木造の二階建てアパート。2DKで六畳間と四畳半の部屋。床は畳だった。駅から少し離れているということもあって、家賃は二部屋あるにもかかわらず、かなり安いものだった。
すでにそのアパートは取り壊されており、いまは存在していない。
ただ、そのアパートで生活している夢を何度も見るのだ。
住んでいたのは20歳から25歳までの5年間だった。
夢の中では、いま住んでいる家ではなく、そのアパートに住んでいるというパターンもあれば、いま住んでいる家とアパートの両方部屋を借りているというパターンもある。また、こっそりと合鍵を持っていて、解約したはずのアパートに入り込むという場合もあったりする。
正直なところ、そのアパートにあまり思い入れは無い。ボロアパートだったし、夜勤の多い私は一か月の半分は会社で夜を過ごしていた。
なのに、何度も夢に出てくるから不思議だ。
昨日見た夢では、そのアパートが牢獄のようになっていた。
私はそこに閉じ込められている。
ただ、勝手知ったるや部屋なのだ。居心地も悪くはない。
看守のような人がアパートの部屋の前を行ったり来たりしている。
それを気にしなければ、特に不自由のない生活。
しかも、時間になれば食事を持ってきてくれるのだ。
ちょうど、食事を看守が持ってくるところで目が覚めてしまった。
食事はビーフストロガノフとのことだったのに……。
キノウミタユメ 大隅 スミヲ @smee
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