エピソード2 第四話
〜プロローグ〜
1つの手紙で未来を変える。
未来であなたがヒカリを掴めるように。
たとえ結果があなた次第でも。
★第四話★
あたしのクラスメイトは、いじめられていた。
でも、これまで、見て見ぬふりをしていた。
そんな自分がキライだった。
あの子が苦しんでいるのに、
自己防衛のために声をかけられなかった。
クラスで楽しくすごすために。
いつもクラスが笑顔であたしを見てくれるように。
でも
自分がいい思いしたって、
あの子は苦しむ中にいる。
あの子だけ心から笑えていない。
「ごめんね」
言いたいことはそれだけなのに
言えない
周りの目が怖い
ゲンメツされるのが怖い
そうやって自分を隠してきたけど
もうやめた
言えなかった「ごめんね」を言うことにした。
あの子から見たら、
あたしはヒーローなんだろうけど、
自分はそんなにいい人じゃない。
でも
あの子が笑顔になって良かった。
人のために
正義のままに行動するって、
とても気持ち良いんだなあ。
ゲンメツされることもなかったし、
これからはもっと、
自信を持って行動しなきゃ。
あの子がクラスに馴染めるのはもっと先かもしれないけれど、
仲間として、
友達として、
優しく、
強く、
自分らしく、
あの子を導けたらいいな。
こう思えたのには、実は理由があった。
差出人不明の手紙だった。
ある日の放課後。
学校から帰ってきて、いつも通り二階の自分の部屋に行ってゲームをしていた。
早帰りだったからたくさん時間があって、仲のいい友達と約束してゲームをしていた。
一段落したところで、下の階からお母さんの声が聞こえた。
「あなた宛ての手紙が届いてたから、リビングのテーブルに置いておいたからね〜!」
その時はまだゲームに集中していたから、適当に返事をしていた。
友達とのゲームの時間が終わり、
手紙を見ようと下のリビングに行くと、
来ていたらしい手紙と、お母さんの字の置き手紙があった。そこには、「ちょっと買い物に行ってきます」と書いてあった。
来ていたらしい手紙の方は、深い紺色で、シーリングスタンプで封がしてあった。
なんだろうと開けてみると、便箋が2枚入っていた。
「クラスメイトを見て悩んでいる
これを読んだ貴方へ。
恨みがあればフクシュウを
哀れみがあるならオンガエシを。
私達と一緒に新しいヒカリを掴んでみませんか?」
1枚目の内容はこんな感じだった。
その時はよく分からずに1枚目をめくった。
「正義のままに行動するか
周りに合わせて自分が飲み込まれて行くのか
それはあなた次第です。」
その時、思い出した。
やっと。
クラスに馴染めず、浮いてしまっていたあの子。
なかなか一歩を踏み込めなかった私。
変えなきゃ
そう思った。
ゲームなんてやっているヒマじゃない。
明日からでも
「助けなきゃ」
自然と声が出た。
正義のままに。
自分がどうなっても。
そう思った。
だから、これは手紙のおかげなのだ。
結局、誰が送ってくれたのかはわからないけれど、心から嬉しくなった。
手紙、ありがとう。
踏み込めなかった一歩を踏める勇気をくれて。
〜エピローグ〜
手紙は、顔が見えない。
言葉の音も無い。
だけど
匿名でも誰かを救うことはできる。
普通に話すより、ドキドキワクワクを感じられる。
そんな手紙を使って
私達は活動しています。
そこにヒカリがなくても
未来にヒカリが灯るように。
ヒカリノテガミ きみとおさる @kimitoosaru
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