第三話

〜あらすじ〜

不思議な手紙を拾った少女。

家に持って帰ってから見返してみると、

自分の状況を見透かすような文面が広がっていた。いろいろ考えたあと、温かい言葉を見て、勇気を出して、学校に行くことにした。


★第三話★

「おはようございます…」


今日も来てしまった…。

無論私の挨拶には誰も反応しない。

机に落書きがないことを確認して、通学バッグを置いた。


今日は勇気を出してみようとおもう。

いじめや、過度な嫌がらせがあったら先生に言う。周りになんと思われようが、こんな苦しい生活もおわりにできるならそれでいい。自分を救うのは自分でなくちゃ!

そう意気込んで、教科書を机に入れた。


ホームルームが終わったあと、1時間目の準備をした。

よし、ちゃんとある。

教科書もノートもペンケースも隠されていない。

まだ今日のいじめは始まっていない。

拾った手紙もお守りとしてポケットに入れてある。手紙がポケットの中で見守ってくれていることを確認する。


キーンコーンカーンコーン


チャイムがなった。

よし、きょうも頑張るぞ!


キーンコーンカーンコーン


1時間目が終わった。

まだまだいじめは始まっていない。

でも意識していないと始まってしまうから、

ボーッとしている訳にはいかない。

気を引き締めていかなきゃ!

次は体育だから着替えなきゃ。

移動教室だから早めに行ったほうがいいかな。

早く着替えて、誰よりも早く教室を出た。


2時間目の体育も終わった。

制服に着替えてから、3時間目の用意をした。

教科書を持ってきて、机の上に置いた。

まだ時間もあるし、手紙があるか確認しておこうかな。

…あれ。

…無い。


どこを探しても無い。

もしかして、手紙のことがいじめっ子にバレてたのかもしれない。どうしよう。

私の表情を見て笑っている声がする。

もうだめだ…


「ねぇ、嫌がらせはやめなよ」



「嫌がってんでしょ」


もしかして、私の仲間…?


「ほら、大丈夫?

ずっと声掛けられなくてごめんね。」


「うん…」


私のこんな近くに仲間がいたなんて。


「もうしないでよね。」


「…」


「返事!」


「…はい」


「もっと大きな声で!」


「はい」


「その大きさで謝れ!」


「…ごめん」


「…うん」


私に声を掛けてくれたのは、クラスのムードメーカーの、誰とも仲がいい子だった。たまに私に声を掛けてくれたりしたけど、たくさん喋ったことはなかった。

私のことを気に掛けてくれていたなんて。


「さ、いじめのことなんか忘れて、

自分らしく居ようよ。」


「うん!」


これからの毎日が、良い方に変わった気がした。


〜エピローグ〜

私達の手紙は

いかがでしたでしょうか。

手紙1つで未来を変える。

これをキャッチコピーにして活動しています。

たった一人しかいない、皆様のヒカリとなるように。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る