第10話 黒く光る星とこの想い
私は、この、光…ヒナタへの感情の名が、『恋』である事を知ることができた。
けれども私は部屋に戻ってからも困惑している。本当にヒナタの言う通り、これが、
『運命』というものなのか……しばらく私の頭の中で色んな思考をめぐらした。
次の日の放課後、部屋にいると、ノックが聞こえてきた。
「あっ、は~い。あっ。
そこには、キララがいた。
「絆さん…でしたっけ?」
「あ、はい。あなたは確か…」
「ええ、あなたを敵視している、キララよ。」
「ああ、ですよね。で、今日は何の御用で?」
「その前に、校庭、一緒に来て?」
「あ、はい。」
キララと私は校庭に来た。すると、キララが聞いてきた。
「あなた、光君、好き?」
私は、キララが笑顔で聞いている事に恐怖を覚えた。
私は、この感情が恋と知っているため、正直に答えた。
「はい。そうです。」
私が答えると、彼女の背後に見える星が、黒く染まった。
「なんで…」
「え?」
「なんで…なんでなんでなんでー‼」
「うっ…これは…」
負の感情による魔力の暴走…!
「許さない!あんたなんかより、私の方が!」
「…‼」
彼女は、負の感情によって、
だから、あの学校事件の犯人は、キララ…‼
このままでは私は死んでしまう。そう思っていると…
「絆ーーーーーーーー‼」
「「えっ?」」
光が、走ってきた。すると、キララの黒い星も消えていた。
「光君…‼」
光はこっちに来ると、キララの方に顔を向けた。
「キララ…ごめん…」
「え?」
「俺は絆が…好きなんだ。キララがどんなに頑張っても、俺は、絆が好きなんだ!」
「え…」
「光…‼」
多分、私の顔は赤くなっていたはず。こんなにも嬉しいと思ったのは初めてだからだと思う。
「やっぱり…あんた、邪魔。」
すると再度、キララの背後に黒い星が現れた。
「「…‼」」
すると、光が何か思いついた。
「絆!」
「な、何?」
「絆の魔具で、キララの心臓、打ち抜いて!」
「はあ⁉」
物騒な、とは思ったけど、なるほど。
「私の月の魔力で、キララの負の感情だけを打ち抜くと!」
「そういうこと‼」
いつの間にか、キララは宙に浮いていた。
「やってみる…‼」
私は魔具を召喚した。自然に私のローブの魔法石も、ムーンストーンになっていた。
「お願い!消えろー‼」
私は矢を打った。しかし…矢は、通らなかった。
「あ…キララの魔力が暴走しすぎてるから…!これじゃあ…」
すると、光が、私の肩に手を置いた。
「光…?」
「俺が、ありったけの魔力で加勢するから。」
「…!うん!」
私は再度、矢を打った。
「「いっけー‼」」
今度は、矢が、通った。すると、キララは力が抜け、落ちた。
「あっ、やばっ…」
キャッチしに行こうとすると、風が、キララをキャッチした。
「な~に二人でわちゃわちゃしてるの~。」
「部屋にいなかったから…心配して…」
「フウカ…桜…‼」
後ろには、フウカと桜がいた。フウカがキャッチしてくれたらしい。
「なんか凄い事になってたらしいね~。」
「うん。大変だった。」
「でさ、絆。」
「うん?」
振り向くと、光が、顔を真っ赤にしてうつむいた。
「さっきの、一応、俺からの告白、なんだけど…」
「「「えっ!」」」
「返事って…」
私は突然すぎる展開に、二人に助けを求めた。しかし、
((がんばれ))
そう聞こえた気がした。助けを求めても無駄か~。そして、私は、初めて、
「良いよ。」
告白に「良いよ。」と答えた。
「えっ!」
「だから、良いよって言ってるじゃん。」
すると、フウカが後ろから抱きついてきた。
「うわっ!」
「おめでとう!二人共!」
「ふふっ」
私達四人は、笑いあった。すると、桜が、
「キララ…保健室に…」
「…!だね。放課後開いてるかなぁ…」
キララを処置しなくてはと、四人で運びに行った。
私は、恋に興味がない。だけど、前世の恋人のおかげで、恋を知ることができた。
そして、分かった…
私の恋人は、一生、日谷ヒナタなんだって…
恋に興味無くてもいいのではないでしょうか 雷空 瑠璃 @Supairaru
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