第9話 この感情の正体

私は光…ヒナタの前世の恋人、月影ルナの生まれ変わり、水谷絆。

最近、ヒナタと出会うとドキドキしてしょうがない。フウカと桜にはしばらく

話していなかったが、彼氏がいる、いわゆるリア充のフウカにお昼休みに話した。

「えっ?『恋』って何?」

「う、うん…」

「ふ~ん。分かった。教えてあげる!」

「ありがとう。」

「『恋』ってのは~、好きな人を見るだけで嬉しくなったり、ふと思い浮かべたり

しちゃうこと!かなぁ…」

「曖昧だな。」

「えっそうじゃない?」

「なんで私に聞き返すのよ。」

「あ、うっかり…」

けど、私は焦った。フウカの言っている『恋』という感情の説明と一致している。

本当に、この感情は、恋なのか…私はこの焦りを落ち着かせるために、紅茶を

吞んだが…

「光君の事、だよね~!」

「ごほっ!っ…」

フウカのせいでむせてしまった。

「あっ!図星じゃん‼」

「…うん、そうだよむせるから不意打ちは勘弁して‼」

だけど私はあの学校事件の犯人について、少し考えていた。

(炎と草と雷か…ヒナタの可能性はないかな…う~ん…)

「ん?絆どうしたの?」

「えっ…いや、この間の学校事件の犯人の事考えてた。」

「ああ、あれか~…」

フウカはいきなり黙ったかと思うと、意味深な笑顔を浮かべた。

「じゃあさ!お隣行・く・よ‼」

「えっ?うわっ‼」

フウカは何かを閃いた(たくらんだ)かと思うと、私を思いっきり引っ張った。


「はぁ…はぁ…な、いきなり引っ張らないで…」

「はあい、あれ?絆じゃん!どうしたの?」

「…‼」

「いや~、絆が、この間の事件について聞きたいって!」

なんで私が聞きに来たって事になってるの!?

「あぁ、あれね。一応言っておくけど、俺、犯人じゃないから。ヒナタの名に

かけて誓う!」

「あ、うん。だよね、ごめん。帰る。」

はぁ~、死ぬ…というか、死にかけ…

部屋に戻ってから、フウカはにやけた。

「良かったね~、光君に会・え・て!」

「あのねぇ、やめてもらっても…?」

「まあけど、これで確定したね。絆のその感情が、『恋』なんだって!」

「うん…う…ん…?」


私は、少しスッキリした、この感情が何なのか、知ることができたから。

……ああああああ‼ ええ!噓でしょ!そうなの!?

もう、私は、物凄く、混乱状態に陥った。


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