第49話
「住職、気になることがあって」
朝食後、住職の部屋に行く。
「…雪見、まず報告があるのでは?」
「あ、そうだ。姉を見つけました。元気でした。確かに前に風俗にいましたけど…今は辞めて旦那がいました」
「そうか。他に?」
「子供ができました」
「ふむ。それはよかった。私の勘は当たったな。それに雪見の方が先にいい女を連れてきたな」
「…あ!そうだ、そうですね。すげぇ、あのときなんてなんも考えてなかったのに!好きな女とかどうすんのとか思ってました。
それで、俺も勘なんですけど…」
「なにか」
「姉の旦那が、なにか縛られてる気がしました」
「それは?」
「姉にではないです。誰かに、なにか制限されてるような」
「詳しく話を聞いたか?」
「いえ。なぜか寝てましたので」
「ほう?」
「そういえば、子供がどうやったらできるのか何度か聞いてきて、病院にも行ってるみたいでした」
「彼に問題が?」
「いや?問題なさそうですが…。裏表がない方で、優しくて…なんとかしてあげたいんです」
「その縛りは、さらに話を聞いたらわかるかもしれない」
「わかりました」
探ってみよう。
俺、夢見てないのに、なんだか感じる。これが…修行の成果なのか?
「雪見。修行は毎日行うように」
「あ、昨日は病院だったし、姉と会っててやってませんけど…」
「そうやってるうちに、鈍る。さぼり癖をつけてはいけないよ」
う、ばれてる…。
「気を付けます」
まだまだ修行が足りないってことかー。未熟者だ。
拝み屋になってみた えいみ @fukuharaeimi
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