主人公の夏輝が迷い込んだのは「現世」と呼ばれる並行世界。
彼が様々な困難に見舞われながらも、人や物の怪との交流を通して成長していく和風ファンタジーです。
ファンタジー作品の難しい部分として、何よりも世界観の描写が挙げられると思います。こちらの作品はその見せ方が非常に上手だと感じました。
作中に登場する単語や固有名詞からも作者様の造詣の深さが滲み出ているのですが、それらを分かりやすく噛み砕いて落とし込んでいるため、読んでいてとても心地が良いです。圧倒的なホスピタリティ。
あんこ大好き巫女の美月さんや、ツンデレの巴くんなど個性豊かなキャラクターも見どころですが、色々な場面で描かれている食事描写も魅力的で、夜中に読んでいると不意打ちで空腹が刺激されてしまいます。
物の怪と幻想的な世界観が織り成す和風ファンタジー、是非とも一読して頂きたい作品です。
瀬戸夏輝は、ある日、神の眷属である白蛇を助け、「現世(うつしよ)」の世界へ足を踏み入れてしまいます。
普段いる世界「常世(とこよ)」と「現世」は、どちらが古いとか新しいとかではなく並行して存在すると言われているそうです。
この「現世」見た目は普通の田舎で、夏輝は学校にも通うようになるし、友だちもできる。こういう設定は新鮮ですね。
善行を積むことでいつかは「常世」に帰れるかもしれないと聞き、夏輝は白蛇のつづらに貰った神力を使って、恐ろしい妖怪や物の怪と戦います。
だけど、安心してください!
ミーミーと鳴く、白いふわふわした物の怪もいますし、白蛇のつづらもいじらしくて可愛いです。
作者の言葉をお借りして、
ほのぼのラブコメあやかしバトル!
不思議な世界をぜひお楽しみください。
不幸な誤解で失恋してしまった瀬戸夏輝はその帰り道、不幸ないきさつで『現世』と呼ばれる別の世界に迷いこんでしまう。まるで時代をさかのぼってしまったかのように自然あふれるこの場所には魑魅魍魎があたりまえに存在している。夏輝は無事にもとの世界へと帰ることができるのか——
白蛇つづらちゃんがめちゃくちゃ可愛いです。夏輝の良き相棒、友人として優しく彼をサポートします。登場人物たちはみな人間らしく愛嬌があって、やりとりに癒されます。
とくに主人公の夏輝くんは本当にがんばりやのいい子です。どんな不幸にあってもめげず、見知らぬ世界でくじけそうになりながらも自分の足で立とうとする姿勢に、自然と応援したくなります。そんな彼をあたたかく支える月姫神社のひとたちもすてきです。
ヒロインの美月さんもとっても可愛い!
まじめで物腰やわらかく、物の怪が現れれば凛々しく舞い、可愛いものとあんこが大好き……夏輝くんが心奪われるのも納得です。これからの二人の関係が楽しみです!
怖いだけじゃない現世に、ぜひ夏輝くんとともに迷いこんでみてください!
きっと帰りたくなくなる……かも
いわゆる「妖(あやかし)」ものです。この手の話は「世の中」にあふれていてテンプレと言われるかもしれない分野かもしれないですが、私は「他のテンプレ」作品と「ちょっと」違うなと思います。
というのも、この手の話は「主人公」が「不可思議」な現象を受け入れて「調和」をとっていく感じで、目的意識がないケースが多いですよね。そして、「調和」を重視するために「バトル要素」がほとんどないですよね?
しかし、このお話は違いますよ。主人公には、ちゃんと「目的意識」もありますし、それに向けて努力をします。私はこういう話は大好物です。あと「ライト文芸」ってこともあって「恋愛」要素もちゃんとあって、エンターテインメントとして、すごく上手くまとまっている印象をうけます。
そうですね。ごちゃごちゃ考えずに読んでもらうのが一番だと思います。ちょっと一味違う。「芯」のしっかり通った「妖」もの。面白いですよ!
白い蛇を助けたことをきっかけに、魑魅魍魎が蠢く異界に迷い込んでしまった主人公が、その世界の人々と交流しながら成長していく物語。
現世に現れる魑魅魍魎は、恐ろしいものから可愛いものまで様々。神社を舞台に巻き起こる事件は、ハラハラしつつも、物語の世界にぐんぐん引き込んでいってくれます。
不幸続きの主人公が奮闘しながらも少しずつ成長していく姿は、応援したくなりますし、相棒とも言える白蛇ちゃんは可愛いし。
ここからどんな展開がまちかまえているのか、主人公は常世に戻れるのか、どんな物の怪たちが出てくるのか、とても楽しみです。
皆様も是非、物の怪蠢く不思議な現世へ、主人公と共に入り込んでみてください!
この作品の特筆すべき点は、その世界設定にあります。
ジャンルとしては「現代ファンタジー」となっていますが、ある意味「異世界ファンタジー」でもあり、正確には「異世界で和風で現代の田舎ファンタジー」でしょうか。
ふざけているように見えるかもしれませんが、これが絶妙なリアル感とファンタジー感を醸し出しているのです。
私たちの身近なところでも存在している田舎、祭事、お祓い、穢れの概念をベースに、ファンタジーな要素である神、物の怪、具現化した穢れなどが、物語を分厚くする要素として被さってきます。
結果、まるでその場面をこの目で見ているかのような錯覚に陥り、物語の世界に入り込むような感覚が味わえるのです。
また、その描写も極めて丁寧で、怖いところは本当に怖く描かれており、特にバトルのシーンではかなりドキドキしますよ。
では、バトル一辺倒なお話かというと、決してそんなことはありません。
生き生きとした個性的で魅力的な登場人物や物の怪たちが、物語を鮮やかに彩っているからです。
また、読みやすさもオススメのポイントです。
各エピソードが短めなため、時間のある時は一気読みができますし、
時間が無い時もこまめに読み留めることができますので、仕事の休憩時間にちょっとだけ…といった読み方も可能です。
神を敬い、物の怪を恐れ、穢れを祓う。
その土地々々に土着の信仰があり、独特な祭事が催される。
そんな在りし日の日本の原風景に近い世界で繰り広げられる物語。
貴方もそんな現世に迷い込んでみませんか?
面白いです!
神、呪術、神道などのオカルト要素がある不思議な平行世界現世に迷い込んでしまった主人公。
神の眷族の白蛇と友達になったことで色々な怪異との戦いに巻き込まれてしまう!
といったドキドキの内容です。
さらに特筆することとしては、オカルト要素だけではなくこの世界で生きることになった主人公の日常感、生活感が細やかに描かれており、こんな世界がどこかにあるかもしれない、自分も迷い込んだらどうしよう、と思ってしまう存在感が魅力です。
さらにはそんな主人公を取り巻くキャラクターも粒ぞろい。ヒロインの美月ちゃんもまっすぐな良い子で可愛いです。蛇のつづらは友達のために頑張ってくれる素敵な相棒。ちょっとひねくれた巴くんとの友達関係。
読んでる貴方もこの世界から帰りたくない!となってしまうかもしれませんよ?
プロ級の文章。
面白いストーリー。
先の読めない展開。
今まで数多くの作品を読んできましたが、こんな素晴らしい作品に出会ったのは初めてです。
そして、あんこ好きのヒロイン美月が可愛くて魅力的です。
巫女のくせに物の怪が大好きだったりと、ヒロイン力が高いなと思いました。
3章から登場する天邪鬼な陰陽師も面白いので好きです。
一つのエンタメ世界が確立されており、ページをめくると鳥居の向こうの異世界に導かれ、いつの間にかその世界に浸ってる自分がいます。
是非書籍化し、そしていつかアニメ化してほしいとおもう作品です。
作者さんのTwitterに表紙を描いてるイラストレーターさんがいるのですが、ぜひあのイラストで書籍とアニメを見てみたいです!
続きを楽しみにしています!