主人公のコーキは異世界への憧れが捨てきれず、普通の人間ならとっくに諦めてしまう程の30年と言う時の流れにも負けずに、幼い頃に経験した異世界の為に鍛錬を続けて来た。
その努力と諦めない精神。みんな良くも悪くも忘れてしまった純粋な夢だったでしょう。ですが諦めない限り希望は、神様は振り向いてくれる。
チートを振りかざす安っぽい主人公が横行する中、一つ一つの描写を大切に地道に努力して高みを目指すコーキにきっとみんなが心を打たれると思います。
30年も待たされた異世界への旅。これからもきっと波乱万丈なのでしょうが、それが読者をワクワクさせてくれるのです!
私はレビューを書くのが苦手です。ですが、尊敬し友人でもある明乃ワールドをもっと皆様に知って貰いたいと思い、コメントを書かせて頂きました!
皆様もこの明乃ワールドにどっぷり漬かって下さい!
主人公が己の鍛練で手に入れた能力と、己の謙虚さで手に入れた神の恩寵により、異世界──こっちの世界でも無双状態、の爽快感がある物語。
しかしそれより光るのは、張り巡らされた幾重もの伏線。「えっ、ここでこうなるの?!」 という意外な展開。
神からのチート能力も、まるでミステリを紐解くための仕掛けのように作用します。
異世界とこっちの世界の物語がどちらも面白く、話が進むとどんどん面白さが加速します。
でもね、初めから面白いの。この物語。もうこの「ミステリ」を解明するまで読む手を止められない! そんな風になってしまう、やみつきの物語です。
長い話なのですが、全然、長さを感じさせない。
早く幸奈に幸せになってほしいです。
もうとにかくあっちでもこっちでも大変な事になっています。
タイトル通りの展開に、読者は思わず主人公に同情してしまう事でしょう。
それ故以降、主人公の立場に親身になって読み進めるわけですが……。
もし自分が同じ立場だとしたらもう、どっかでお手上げです(笑)
それを主人公は、色々な思いや考え、持てる力で乗り切っていくのですが、そこには決して安易にはこなせない“わけ”がある。
とてもよく考えて作られている作品だと思います。
もちろん手に汗握る緊迫したシーンも良いのですが、私は主人公が、そういったゴタゴタに巻き込まれず、本当にリラックスしてその時を楽しむシーンが好きだったりします。
まるで綱渡りするような緊張感へと、どんどん高まっていく作品。
今後の展開も楽しみです!
10歳の頃、神様の手違いで異世界に召喚されてしまった功己。ほんの少しだけ触れた異世界にすっかり魅了された彼は、「大人になったら再び異世界へ」と神様と約束し、元の世界へ戻った。
一向に異世界へのお呼びがかからぬまま、黙々と孤独な修行を続けること30年……
約束はようやく果たされ、なんと彼は二十歳時に戻された上で現世と異世界とを行き来できる力を手に入れた。
異世界では冒険のためにレベル上げクエストに勤しみ、また現世では修行に明け暮れて犠牲にしてきた私生活をやり直すことに。
見た目は二十歳、中身はおっさん。功己(コーキ)の冒険がようやく始まった!
まだ二章目の途中までしか読んでおりませんが、すごく面白いです。
現世と異世界での時間経過の違いやギフトの設定が絶妙で、物語をさらに厚くしています。
はじめは何もかも手探り状態。読者も一緒に「ふむふむ、それで?」と少しずつ世界観を理解していく過程が楽しい。
コーキの人柄も良いのです。困った人を放っておけず、自身が巻き込まれながらも何度でも助けようとする。さすが、30年も実直に修行を続けてきただけあります。
コーキがどんな冒険をするのか。現世での恋の行方は? 楽しみがたくさん詰まった物語です!
まだ一章を読み終わったところなので、序盤も序盤なのですが……。
ともかく感想文書かねば、と思ったのでキーボードをタイプしております。
某死に戻り作品が世に出てから、『死に戻り』という要素を含む作品は多く発表されたでしょう。
一度死を経験し、ある程度過去に戻った後、決定的な事件を回避、もしくは解決するために動く。
それはゲームのリトライの様で、培った知識と経験を生かすのに便利な舞台装置です。
ですが、人間にとって死とは根源的な恐怖。
ちょっとやそっとで乗り越えられるようなものではないはずなのです。
この作品でも死とやり直しを繰り返す描写はありますが、主人公であるコウキが初めてそれを経験する際の乗り越えがたいトラウマを抱えた描写が、読者である私にも重くのしかかってきました。
それは一人称による描写が成せる、最大限の魅力です。
主人公と読み手を限りなく近く共感させ、共に事件に巻き込まれ、へこたれ、乗り越えていく感覚を体験する。
この作品はそれが上手く働いているように感じました。
それは死に戻りのシーンだけではなく、冒頭から発揮されており、三十年という期間を短い文量で表現しているのですが、それを順序立てて、細かい出来事にも目を向けて、主人公の独白と共に綴られると、こちらも同じ時間を共有したような感覚になります。
それだけに、急に他者の視点に移るとびっくりしてしまいますが、それもまぁ、一人称視点の描写が上手くいっている証拠なのでしょう。
主人公の強さが突飛でないところも好みのポイントでした。
神様からチートもらってバーン! みたいな大雑把なモノでなく、コウキは自身が四十歳になるまでひたすらに鍛錬を積み、そこに裏打ちされた強さがあります。
降って湧いた能力などで無双するわけではなく、コウキがその強さに至る理由がしっかり理解できる点は好感触でした。
また、コウキが無双できるような世界観でないのも良かったです。
コウキが渡る異世界にも強者が存在しており、神様から得たギフトがあっても、一つ間違えれば簡単に命を落としてしまうような、シビアな世界観。
もらったギフトにも制約があり、それに抵触してしまわないかという緊張感。
様々な要素が『簡単に無双なんかさせねーぞ』と突きつけてくるようで、ひりつく感覚が良かったです。
重ねていいますが、私が読んだのはまだ一章部分のみです。
こちらの作品はミステリ要素も含んでいるということで、それらが本格的に回収されるのは四章からと明示されています。
私が読んでいる地点では、まだまだ準備段階なのでしょう。
これから本領発揮される本作のポテンシャルを浴びるのが、楽しみです。
これは、私がレビューを書くのがおこがましいと思うくらい有名な作品ですよね。この「転生」のタイミングをずらすところに物語の「妙味」がある小説です。
ただ、仕掛けはそれだけで終わらないんですよね。いや、確かに、時間がズレた転生以外は、どこかで聞いたものが多いのは確かではあるんですけど、それを破綻させなく物語を書いているのは見事としかいいようがありません。
また、視点を変えた説明が丁寧なのも、この作品の魅力の一つでして、それが「複雑な世界観」の理解を深めさせてくれたり、「世界」の広がりを感じさせたりしてくれまして、結構、理解しやすい構成になっているのが特徴だと思います。
ということで、皆さん、ちょっと「仕掛け」が複雑な「転生ファンタジー」、試しに読んでみませんか?
とても斬新で惹きこまれました!
あらすじで読む分にはシンプルに記載されているので読み流してしまうのですが、読み始めるとそれがどのような意味を持っていたのか体感することができます!
幸か不幸かその待たされた時間は主人公を強くするための時間でもあったわけですが、だからといって物事が単純に進むわけもなく・・・
なまじ描写が綿密で読み手に対して伝わってくる分、思わず眉をひそめるような展開もあるわけですが、救いとしては粋な計らいもあるにはあったこと、ですね!
数段飛ばしで展開される物語ではなく、1段1段着実に進む物語。
作者様曰く伏線にはこだわりがあるとのことなので、その意味でも先の展開が楽しみになる作品です!