読者がリョナをのぞく時、リョナもまた読者をのぞいているのだ


「リョナ」という中々にハード、かつディープなものを、溢れんばかりの(少し変わった)熱意でもって語り尽くすといった作品です。

 読んでいて率直に「そういった見方も出来るんだな……」と思いました。

 今までのリョナラーのイメージが「猛獣刑(受刑者をライオンと戦わせる古代ローマの公開処刑)を見て性的に興奮出来る人」というものだったので、
 キャラクターの精神的な側面であったり、生への意志であったり、感情の発露であったりという面は全く想定外でした。

 特筆すべきは何といっても「こだわり」。
 なんでしょう、まあ、Sというか……それなりに歪んでいるように思うのですが、線引きがきっちりしていて、一つ一つの判断基準は思ったより常識寄り(?)のおかげか、
「あれ……意外と自分も当てはまってる?」と思ってしまうのが恐ろしいところ。


 のぞく際はご注意を。