主人公は期待に応えてくれる"彼との日常"に一見満足しているように見えます。ですが、そこには三次元的なズレがあって、主人公はどこか収まりの悪さを見せます。夢の中では、銀河鉄道は私を乗せることなく通り過ぎます。主人公と彼のやり取りはそのズレを纏い、美しい中にもどこか不安を潜ませています。作中では銀河鉄道が夢として、彼との生活が現実として対照的に描かれていますが、銀河鉄道の方が現実で、彼との生活が夢の中のようにも感じられます。すごく幻想的な話であるはずなのに、読み手には共感を覚えさせる、優しい作品です。
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