第10話 今までの人生で最悪の……
あの後、火星連邦軍とオリンポス警察隊が駆けつけて来た。盗難されたプルトニウムは発見され、現場にいた実行犯は逮捕された。
私はというと、戦車砲を使用し
私は今、連邦首都オリンポスにある超高級ホテルの最上階、展望レストラン
「うふふ。翠ちゃん、今日は特別なサプライズなのよ」
「あ、来ましたよ」
私は入り口を見つめる。入ってきたのは背の低い紅葉ではなく、長身のトリニティ市長だった。
まさか、あの市長とのお見合いなのか?
もしそうなら、この上司の事を今まで散々くそババアと罵倒してきたことは謝罪したい。
「お待たせ。今日は沢山用意してきたよ」
用意?
何の事だ?
トリニティ市長はテーブルの上に小型のアタッシュケースをどさりと置いた。ケースを開くと立体映像が表示され始めた。そのタイトルは『火星のイケメン100選』であった。
「翠ちゃんにはね。絶対に良い相手を見繕ってあげるから。僕の情報網は火星一なんだよ」
その一言で眩暈がした。トリニティ市長が好みのタイプだったので完全に油断した。トリニティ市長とクソババアは結託して私にお見合いをさせようとしていたのだ。私は席を立ち、トリニティに一発ビンタを浴びせた。そして無言のまま早足でレストランを出た。
良い夢だった。トリニティ市長とのブライダルなんて実現するはずなど無かったのだ。あははは。
私の乾いた笑い声は火星の赤い砂塵の中へと消えていく。そして私は、
火星の怪盗レッドフォックス 暗黒星雲 @darknebula
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
公募玉砕記/暗黒星雲
★35 エッセイ・ノンフィクション 連載中 137話
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます