凍てつく冬を照らすもの

少女と一匹の獣が織りなす非常にクオリティの高いハイファンタジー。

とにかく緻密で丁寧な世界観が素晴らしかったです。古き良き伝統的なファンタジー世界をベースとしつつも、閉塞的な村社会の在り方や、自然と共に生きる牧歌的でありながらも厳しい生活などが描かれており、作者さんの確かな知見と力量をうかがわせます。

あくまで人と獣という垣根は超えず、その中で一人と一匹の微妙な心のやり取りを描き切っている点にも感心しました。

ありきたりな異世界ものには飽きてしまった人、昨今の流行にはどうもついていけないなぁと感じている人などにはぜひおススメしたい作品です。