鏡に触れて未来が変わる

少し不思議なSF。
本作での体験から、新しいことを成す人は発見する人であり、あたりまえのことをあたりまえとせずに疑うことができるからだと教えてくれる。

抓りと狐、漢字が似ている。 
おそらく、鏡世界で出会った狐とはこの時に出会う資格を得たのだろう。

根っからの文系の主人公。
逆になっているなら、国語の授業は苦痛に感じなければならない。
でもそうなっていない。
つまり、心の中までは逆転しないのだろう。

シロは優しいと思った。
ヒントの意味を知らなかったけど、助言をしてくれるのはありがたい。

一番いいのは、主人公の名前がみらいであり、帰る時に明かされるところ。
現実世界は生の場所として描かれている。
つまり、鏡世界は死の場所なのだろう。
現実世界に戻ったときシロが写っていなかったのは、シロは鏡世界の住人であり、あの世の存在だからだと思う。