第8話
かわいい漫画を読んでいて幸福感を感じていたら、また恋愛にいきついてどこか諦めの感情がわく。
いつものことだ。
疎外感ではないけれど、また恋愛か…という不完全燃焼なこの気持ち。どうしてこうも恋愛に終始するのだろう?
恋は知らないけれど、恋愛表現はかわいい。だからそれ「も」好き。
だけれど、なにがなんでも全てがそこに行き着くものばかりだとなぜか空虚な気持ちになる。共有できないものからの遮断を感じるからなのかな。
この子はみんなに理解されない苦しみから、恋愛で解放されるのだ。祝福するべきだろうに、もやもやするばかりだ。
マイノリティと言われる人たちにすら、恋愛感情がないことは理解されないこともある。
そんな悲しきモンスターの私は、なにが救ってくれるのだろう。
愛の多様化を虹で表しているのを見ていると、自分は透明だと感じる。
主張するものがない。今のご時世ならそれとなく馴染める。上辺のことだけなんとなく言っていれば流せる時代になっているのだから。
でも私は思う。
透明度の高い水をきれいだと思えるように、透明の愛だってあるんだ。
私には私の愛がある。
赤でも青でもない、緑でも黄色でもない。すぐに見えなくなってしまうけれど、クリスタルのような感情はあるんだ。
でもそれは主張するものでもないから、今日もそっと本を閉じて寝る。
月の明かりに溶けて、風になってさまよいたい。
私は透明なのだから。
透明な空 @akera3
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