かつて、戦隊ヒーローと怪人たちとの闘いに、胸をときめかせたことのある、全ての大人と子供にオススメの作品です。
読めばヒーローたちと怪人との闘いの映像が思い浮かぶ描写力。
戦隊もののテンプレのようで実はそうでない、何重にも捻りの効いた設定。
しかも悪役側が主役だという、通好みのダークヒーロー展開。
このまま小説の枠内に納めておくのがもったいない作品。
コミカライズ、アニメ、特撮実写版、アドベンチャーゲームやバトルアクションゲームでもなんでもできそう。
ヒーローと怪人のキャラが多いから、スポンサーにつく玩具メーカーも大喜び。
フィギュアやキャラグッズもいけるでしょう。
KADOKAWAはひょっとして大金鉱を見つけたのかもしれない。
いあいあ。クトゥルフ系コズミックでシュールなホラーな作品が印象的なニャルさまさんによる『昭和の仮面ライダーと令和の戦隊の要素のいいとこどりをした』混沌の〝なりあがり〟ストーリーであります。
主人公・彗佐拓磨のコンテキストは昭和ライダーみあふれていて素直に応援できるし、相対するカオスイレギュラーズにもそれぞれの想いがあってわやくちゃにぶちかましてくる。君はどちらを応援する?
読めば読むほど、作中の特撮らしさにニヤニヤできます。
キャラクターたちや敵(いや、主人公からしてみれば味方ではあるんですが、同時に倒すべき敵でもある、ショッカーのような?)の異海将校たちのネーミングセンスが俊逸で「作者が本当に特撮好きなんだろうな……! 特にドンブラザーズ!」と思いながら拝読しています。
カオスレッド、どうすれば倒せるのかわからねえ……。
いまめちゃくちゃアツい展開になってきているので、一緒に完結まで見届けましょう!
あらすじに目を通してみて、僕はまずこう考えました。
「(いい意味で)とんでもない作品が生まれたなぁ」と。
僕はSFというものにあまり触れてこなかった人間ですので、そこまでご立派な感想は書けませんが...
簡潔に言えばこの作品は、主人公がとある悪の帝国の一戦闘員で、そんな彼がひょんなことからとある計画に巻き込まれていく、といった内容です。僕も幼少期は戦隊ヒーローに憧れた1少年だったので、巨大ロボットが登場したシーンなんかはついその頃のことを思い出しました。
独特すぎる世界観。しかしながら読んでいても全く胃もたれすることなく、むしろ読者の心を鷲掴みにするかのような文章力。これらがこの作品の最大の魅力であると、僕は思います。
少年の夢がたくさん詰まった玩具箱のような作品です。
主人公は本来の地球の支配を目論む、平行世界から来た世界帝国の一兵卒に過ぎません。しかし、立ちはだかる正義のヒーロー達との戦闘に生き延び、自我を取り戻し、自分がヒーロー達と戦う意義を見出します。
立ちはだかる五人のヒーローは巨大な力を要しています。それに対抗するため、主人公は帝国兵を率いる異海将校(アウターマン)の地位を目指し、それぞれの将校が持つ様々な能力を得ようとするのですが…。
過不足ない描写で、ストレスを感じることなくスルスルと世界観に没入できます。戦闘シーンも目の前で繰り広げられているような臨場感があります。
五人のヒーローも個性的なのですが、動物をモチーフにした異海将校たちとその能力もユニークで面白いです。
支配する側の視点から描かれる、一風変わったアンチヒーローアクション。おすすめです!
【ラストを想像するとワクワクが止まりません】
ふとしたことで洗脳から解け、自我を取り戻した悪の組織の戦闘員。彼は世界を救うために、(世界を掌握しつつある)その組織の総帥になることを目指します。
総帥になるために必要なのは、皮肉なことに「世界を守るヒーロー戦隊(五名構成)」との対決です。圧倒的戦力差に惨敗しつつも、運と機転で生き残って成果を上げて、組織にちょっとずつ強くしてもらう──という感じです。まだ先は長そうなので今のところは、ですが。
【特にここが良い①】
文字通りの雑魚キャラが、ちゃんとルールに従って強くなっていくのが良いです。
実は潜在能力があるとか、特別な個体能力があるとか、そういうのがなく、おまそれ雑魚キャラやないやん……という失望がありません。そして強くなってもヒーロー側のチート能力には太刀打ちできないあたり、安心感に似たなにかを感じます。そんな簡単に勝てたらつまらないですしね?
【特にここが良い②】
いずれ悪の組織、おそらくヒーローたちとの決戦も待っていることでしょう。明確な物語の着地点があるので、(実際にそこに着地するかは別にして)その結末をワクワクしながら読むことができます。
注目&期待の一作。おすすめです。