詩的な導入から始まる妖怪譚
- ★★★ Excellent!!!
人間(防人)と妖(妖怪)の境界に立つ少女のお話。
各話冒頭はまるでオープニングのような詩的な文章から始まる構成で、独特な世界観を印象づけてくれます。実際は主人公の独白のようなもので、各話の動きを示しており、改めて読み返すと面白みが増すと思います。
単純に切った張ったの妖怪退治……ではなく、この物語では倒す・滅することはできず、ただ『隠す』。ここも独特な表現。一見倒しているように見えるけれど、実は……な事に、壱章クライマックスで驚き。ド派手な『百鬼夜行』の描写は圧巻の一言。鬱陶しい妖に対して溜め込んだものを一気にスッキリさせてくれるような演出でした!
弐章目では打って変わって刀を使ったアクションも盛り込まれ、和風ファンタジーらしさを全面に押し出した展開で非常に面白いです。
人には見えない妖の世界、ぜひ読んでみてください!!