至るところから魔法の香る、祝祭まで指折り数えて行き違う二人の物語

森に住むふんわりおっとりした魔女と、夜の魔術師と呼ばれる冷徹な人間の男。
来たる祝祭日をどちらがより見事に彩ることができるのか、勝負に向けて準備をする二人の物語です。

お菓子やお酒、手紙に住居。そこかしこに魔法の組み込まれた世界観は、文字を追っているだけでワクワクします。
色香の漂うような文章と、隅々まで作り込まれた舞台。作者さまの発想と感性が素晴らしく、大変魅力的です。

純粋に祝祭日を心待ちにする魔女と、彼女に対して拗らせた想いを抱く魔術師の、絶妙に噛み合わないメッセージのやりとりが楽しい。
勝負の行方はどうなるのか。
二人の関係性に変化はあるのか。
結末をしっかり見届けたいです。