ラストで必ず唸る。驚きとハラハラの短編集。

まずはあらすじに書いてあることをそのまま引用しますが、本作は、作者様の気まぐれのお任せコース的な短編集です。

ドラえもんに出てくるような危険予測機を買った男。追い詰められ、親への殺意を少しづつ募らせていったタクシードライバー。突如未来人と遭遇した。などなど、それぞれ違った設定、切り口で書かれる6つの短編。
凄いのは、そのどれもがオチが秀逸だということ。

物語にとってラストをどうするかは、最重要課題のひとつ。これしだいで名作にも駄作にもなりますが、そのオチの力でこちらに書かれている6作全てが名作となりました。

オチまで進む過程も、最後はどうなるのだろうとハラハラさせる展開で読者のハードルを上げつつ、そうきたかと唸るような決着のつけ方、思わず今までの話を見返すような設定で、ハードルを見事に飛び越えてきいます。

ひとつひとつが独立した話になっているので、まずは章のタイトルを見てから気に入った話だけ読んで見るのも、ひとつの楽しみ方かもしれません。

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