終始美しい文章力と比喩が綴る、心を動かされる短編

 出だしの初代校長の言葉から、既に美しい価値観と世界の捉え方だなと思っていました。
そして本編に入ると、標本との例えや蝶の捉え方、死生観、そして彼と彼女の交わり方に心を奪われました。
 会話文が少ないのに、これほどまで引き込まれるのは紛れもなく魅力的な比喩表現と情景描写力によるものだと思います。
 読了した後に、感情を強く揺さぶられて前半のページをもう一度確認したくなる。
 そんな素晴らしい短編でした。

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