第24話 おやすみ

「セトさっ…」

「大丈夫だ。ルナ」

「あっはっはい」

大丈夫か、本当に。

ルナ。


「力を貸してくれて嬉しいわ」

勧められた席に座る、向かい側にシオリさんが座った。

「私は何をすればいいんですか」

シオリさんはすごく綺麗な人だけどちょっと怖い。

少し乱れた髪が耳にかけられ、目がこちらに向く。

「そうね、あなたには…」

私じゃない。

見てるのが私じゃない。

その奥、後ろ…

「眠ってもらうよ」

耳元に振動。

首筋にひんやりとした刺激。

気持ち悪い何かが体内に流れ込む…

「セト…」

笑ったシオリさんの顔が反転し、何も見えなくなった。


「この子をペンナイフの呪いに入れるのね。それじゃダメだったの?」

シオリが今使った注射器を指差した。

「俺の凶器は薬全般、この注射器も使い捨てだし呪いは少ない。これはアイツが使い続けてたからな」

ちゃぽん。

床に倒れた寅の少女を抱き上げて呪いの中に入れる。

「おやすみルナ。たくさん後悔してね」

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優しい死神 家猫のノラ @ienekononora0116

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