私の夏がようやく終わりました。
本日、カクヨム甲子園の最終審査結果が発表されました。
中間審査を突破いたしました『光台高等学校文芸部』は落選となりました。
私に文章の基礎を叩きこんだお母さん、小説を書く楽しみを見つけさせてくれた先生、乱れる生活を時に叱りつつも見守ってくれた家族、無言でテキストファイルを送りつけ続けてもずっと一番の読者でいてくれた先輩と友だち。ハートをくださった方、レビューをくださった方、感想を書いてくださった方、読者の方々、そしてカクヨム甲子園に関わる全ての方々に大きな感謝を。
本当に、ありがとうございます。
そして受賞された方、まだ読めていない作品も多いですし、また別で言葉を送りたい人もいますが、とにかく。
凄い。
同じ夏を戦った同士としては、お疲れ様とおめでとうと、そして嫉妬を送ります。
以下は少し、自分語りを。
私はこの夏、恋をしていました。
その人は、虫を触れないどころか同じ部屋にいることすらできないし、対人関係が苦手で会話に参加したがらない、そのくせ我儘で満場一致の答えを駄々をこねてひっくり返す、極めつけには五歳までに口に含んだことがあるものしか食べないような人です。
その人は、本が好きでした。ミステリーが好きでした。
そしてその人は、ミステリー作家です。
私はその人の書くミステリーが大好きでした。
その人と出会うまで、ミステリー作家というのは自分にとって非常に遠い存在でした。いえ、今も遠いでしょう。
それでも私は近づきたいと思ったのです。あなたを知りたいと思ったのです。
隣にいるのに、どこまでも届かないその人から、私は一つも取りこぼさないように欠片を拾い集めました。そして不格好に、それらを自分のものとして飲み込み、筆を握りました。
『光台高等学校文芸部』は、良くも悪くも、あの恋をした夏でしか、その人とは対等に並びえない、その人の後ろを歩き欠片を拾うことしかできない、ちっぽけな私でしか書けなかった物語です。
だからこの作品は、いつまでもミステリーではなく現代ドラマです。
膝上15センチのスカート、80センチのルーズソックス、ヘヴィメタ並みに濃いアイシャドウ。
これがちっぽけな15歳の私の、高校生の私の、戦闘服。
電車に揺られ、ホームルームが始まり、ちんぷんかんぷんな三角関数。毎分といったようにカクヨム甲子園特設ページを更新し続けました。
そんなに甘くないとは分かっていました、でも自分の作品が一番面白いという自信がありました。
論表の授業中、机の下で結果を見た時、狂った心臓と震える指でその文字を追い、私の名前がないことを確認した時、「あ」と声が漏れました。
私は今まで、何かに本気になったことがあまりありません。部活も弱い文化部でしたし、コンクールのある習い事をしたこともないです。
きっと今、人生で一番悔しいです。
これからも私は、高校生活で、様々なものに出会い、学んだり、恋をしたり、傷ついたりするでしょう。
来夏。私はまた何かを追って、この場に戻ってきます。
というか、もう何作も書き始めています。
大好きな、大好きな、夏を、私はまた始めています。
改めて、みなさん、ありがとう。