美しく力も時も十分に持つ神と、無力で短命な人間。
全てが対極にある二人は、宿命の糸に引き寄せられるように出会います。
ある日突然、高校生の旭を迎えに来たのは、雨の神の瑞穂。
家族と引き離されて心細い思いをしていた旭でしたが、瑞穂の優しさ、温かさを知って惹かれていきます。
一方、雨神の瑞穂も祖父、父から受け継いだ意志と重責を背負い孤独な戦いをしていましたが、旭の真っ直ぐな健気さに癒されていきます。
そんな二人の心模様が丁寧に描かれていて、きゅんきゅんさせられます。
また、美しい神の国の情景が二人を包み、香り高く酔わせてくれます。
固く結ばれた二人でしたが、周りの無理解、嫉妬によって引き離され、過酷な試練の数々が襲い掛かってきます。
心砕かれるような思いを乗り越える度、強まっていく絆。
そんな二人の尊い恋を、みなさんも是非ご覧になってください。
寄り添う幸せを再認識させてくれる温かい物語です。
ちょっと不運な高校生・旭は、やけに雨に祟られていると思ったら、実はその逆だったらしい…。
雨の神様に熱烈アプローチ(?)を受けた旭の、天上の神界ライフのスタートです!
慣れない新生活と、人間とは違う神様たちの力や考え方に、様々なことを学んだり、何度もピンチに陥ったりする旭は、やがて神の真実の愛を知ることに…。
旭の祖先の代から続く、神と人との様々な縁、時に憎しみにも通じるどこまでも深い愛。
美しい文章でドラマチックに語られる、「尊い」の一言に尽きる壮大なBL絵巻です。
美しい男性二人の恋愛にときめく和風ファンタジー。BLに目がない方も、そうでない方も、ぜひじっくりと美しき神々の世界をご堪能ください♡
主人公旭はものすごい雨男。
どのくらいすごいかと言うと、デートの度に豪雨に見舞われ、そのせいで何度も失恋するくらいです。
神様はなんの恨みがあってこんなことをするのか。と思いきや、実際に向けられていた感情はその真逆。
実は雨の神は旭のことを想うあまり、彼の恋を成就させたくないばっかりに雨を降らせていたのです。
神様とはいえなんと強引な。なんて最初は思いましたが、いざ話を読み進めていくと、この二人、本当に純愛。
旭は家族とも人の世とも離れ神様の住む世界に行くことになるのですが、そこで少しずつ神様の事情を知り、その度に惹かれていきます。
神様も決して全能などではなく、嫉妬もするし、悩みもする。どうにもならないような事情だってある。
旭に至っては、そんな神様と比べても特別な力など何も持たないただの人間ですが、それでも想う相手のため、できることを精一杯やる一途さを持っています。
神様と人間という大きな壁がある中、想い合う二人はどこに行き着くのか。ぜひ見届けてみてください。
主人公の雨男ぶりは、彼を求める雨神のせいだった。主人公は雨神の導きによって、神の世界に誘われる。そこで二人でい過ごす時間は、主人公にとっても雨神にとっても、かけがえのない時間となっていった。しかし、神の世界でも嫉妬はあった。眉目秀麗にして有能な神である雨神は、位の高い星を司る神に幾度となく伴侶をあてがわれても、断り続けていた。星を司る神が主人公を揶揄うのも無理はない。しかし、主人公と雨神は、ある日ついに契りを結ぶ。ところが、雨神はその契りが他者の意によるものだと見抜いていた。
さらに、主人公と雨神が共に生きるための儀礼に、思いもよらぬ邪魔者が乱入し、儀礼どころか主人公の身に危機が訪れる。そのことによって、雨神は愛した主人公を——。
美しき世界にはびこる嫉妬という永遠の汚れ。
二人を引き裂くように、次々と起こる苦難の数々。
それでも二人の想いは時も世界も超えていく。
BLという枠にとらわれない、とても美しく優雅な和風ファンタジーと言っても過言ではありませんでした。雨神の佇まいや、それに徐々に惹かれていく主人公の想いに切なくなります。
そして何より、意外な展開に次ぐ展開で、初めから終わりまでとっても面白かったです。
是非、是非、御一読下さい!
和風ファンタジーテイストの面白さがあります。
高校生の雨宮旭くんが、大切なおデートの度に酷い雨に遭ってしまい、恋が壊れてしまうと言うもの凄い雨男さんなのです。
偶々だと思っていたら、雨の神が、『そなた』と語り掛けて来るではないですか。
神の世に行かなければならないさよさんとの繋がりで、初穂の遺言も果たしたく瑞穂と天へ去って行きます。
その様は綺麗な龍によるもので、場面的に随所に見せ場があるのですが、ここも好きです。
旭くん、別れのときには、家族にカレーを振舞ったりして、孝行者なのです。
優しいのですよね。
二人の心情に心を寄せて拝読できます。
是非、ご一読ください。