第3話 一人暮らして‥暴落貴族

オルガは眼を覚まして ため息を一つ

今は集合住宅の一角で どうにか一人暮らしている オルガ 


病の母に傍に付き添って暮らしていた オーストリ帝国の没落で領地を失い

オルガは最後まで日本人の母光子に付き添い看取って‥


そうして崩れ行く世界の中 第二次大戦の混乱期 逃げ惑った

「子供の頃は母も皆居て‥林檎や果実のお菓子も 食事に‥綺麗なドレスに」


父が急死した後で 母と父の執事であるトルコ人のヴァービック老達に

守られて育ってられた オルガ達 兄や姉達は優秀であったが‥しかし


城での暮らし 優しいトルコ人のヴァービック

「父君のハインリッヒは本当に優秀でしたね 妻のミツコさまも努力家で」

そう言って父の十代から仕えたヴァービック老が微笑して語ったものだった。

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