ファンタジーを作る上で概念の摺り合わせは必要だよねという話

 人に自身の作品について見つめ直してほしいという思いも込めつつ、自分への戒めに。

 七月末から書き始めた新作、まだまだエピソード数も文字数も少なく、PVがひとつもついておりません(フォローしてくれた人はいました。ありがとうございます)。これはいち早くエピソードを重ねて、自主企画に持ち込みを……。あぁいや、今回はそれはどうでもよくてですね。


 私の新作ファンタジーはいうなればSFチック、現在から600年くらい先には起こっていそうなテクノロジーを盛り込んだ国を舞台に、ストーリー展開していきます。600年もすれば、一家に一台お掃除ロボット・空飛ぶ車・おしゃべりAIの三種の神器が揃い、今でいうところのスマートフォンはさらに薄く小さくなり、肉体労働はロボットに任せきり、お父さんお母さんはお家でキーボードを叩く事務仕事……。おそらくこんな感じになっているだろうなと思います。


 では逆に、中世ヨーロッパのようなファンタジー世界を舞台にした冒険譚を書いてみましょう。道路は石畳、商人のリアカーやお偉いさんの馬車がその上を歩き、その風景を、とんがった赤い屋根の家の人が眺める。少し視線を外して遠くを望むと、段々になったライ麦畑の中央に風車がどんと鎮座し、お天道様の下で羽根を回している……。風景はこんな感じでしょうか。


 仮にこの回を見ている人かつ、中世舞台のファンタジーを書いている人がいたら問いかけてみたいのですが……、これを見てる皆さん、その世界でのってどうなってます?


 例を挙げるなら、時間の概念。時間というもの自体は古代エジプトやギリシア、ローマなどが生み出していますが、現代のように「〇時から×時まで労働時間、その後は身支度の時間何分間、その後の就寝時間は何時間何分」となって、人が時間に縛られて生きるようになったのは明らか産業革命後でしょう。中世といえば、だいたい11世紀から16世紀くらいですかね? 日本は封建制、院政、幕藩体制をとっていたころです。その頃は殆どの人が百姓で、米、麦、雑穀、麻などをせっせと作っていたのでしょう。もちろん作物は1日じゃ育ちませんから、細かくいついつまで働き、途中で30分休憩、ということはやったところで……という感じ。

 日が昇ったら農作業、落ちてきたら家で縄をなう。そんな風に1日が流れていくのではないでしょうか?

 そんな時代に、時間に意味と行動を持たせてキビキビ動き、「□時から♡時には畑で作業をして、それが終わったら*時には縄作り、その後には30分でアレしてコレして……忙しくて参っちゃうよ☆」なんてどや顔で話をし始めたら、町の人は皆「時とか分とかって何だ?」とぽかんと口を開けて聞いているか、あるいは「変な奴だなぁ」とかレッテルを貼られて村八分にしてくるのではないでしょうか。


 異世界ファンタジー作者には(もちろん自分も)、この辺のすり合わせを頑張って欲しいなと思います。なお、時間の概念の詳細はネットで調べてください。私も間違いがないようネットで確認しながら執筆しましたが、何かしら誤解が混じっているかもしれないので、「べらべら御託を並べてた作者に指摘してやるぞ!」という意気で確認よろしくお願いします。

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手首フェチのひとりよがり 小津庵二郎(旧:@てくび) @rororo-39

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