商業作家クラスの筆力。何度でも読み返せるアンジャッシュな笑い

271話まで読んだ感想です。

本作をざっくり乱暴に分類すると発想チートにあたるように思う。
それも、現代知識ベースの順当な発想ではなくて、常に予想だにしない斜め上から(しかも論理破綻がない)の発想が最大の魅力だ。
同様に、コメディ部分もアンジャッシュしており、私も十何年かぶりに肩をふるわせて声を殺して笑いながら読むハメになった。
電車の中で読んではいけない作品だ。
と思いつつも、結局続きが気になって電車の中で読んでしまって、肩をふるわせることになるのだが。
これもひとえに、作者の発想力のたまものだろう。私の視点からだと、明らかになろう作家のレベルを超えていて、このまま研ぎ澄まされていけば、商業作家の中でも特異な立ち位置に立ちうるレベルと感じた。
担当がついて書籍で加筆された部分を、買ってでも読みたいと初めて思った。どれだけ化けるのか今から楽しみだ。


物語自体は明るいサラッとしたもので、悪役もジメジメしすぎておらず、不快感はほとんどない。
主人公が好きなことを追求していく過程で(なぜか)トラブルに巻き込まれ、斜め上の発想で物語を進めていくというのがパターン。
周囲もそんな主人公に振り回されながら、引っ張られるように成長していく。
とはいえ、主人公はただ身勝手というわけではなく、一定の行動原理があり、ただブレずにそれを貫き通しているだけ。といったこのあたりの塩梅が非常に上手い。
どういった発想力があればこういう展開になるのか全く分からないが、ストーリー進行に無理がないのでストレスなく楽しく読める。
今後も楽しみだ。

評価:★★★★★5.0

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