企画レビュー「会話劇、それはセンスで魅せるもの」

会話の内容にリアリティがあり、作者さまのセンスを感じました。
いかにもありそう! あの女優の名前なんだっけ~とか、ドラマの筋書きにケチをつけたりとか、凄くありそう! ウチの実家のお茶の間でも話していそう!
それでいて、軽妙でテンポを損なわず、オチもしっかりしているので読んでいて面白かったですね。

そして…。
どうもこの作品は初めから百点満点を狙ったものではない、そうも感じました。
タイトルやキャッチコピーから漂ってくるそこはかとない「ユルさ」
読者にクスっと笑ってもらえれば、それでこの作品は充分に意義を果たしているのだと…会話劇にそれ以上を求めるのは宜しくないと。
そのような戒めも込められているような気がしてなりませんでした。
そうですよね、お茶の間の日常会話って、そういうものです。

シンプルイズベスト。単純なものほど強い。
捻り過ぎるよりオチをしっかりさせろ。
会話劇の本質を垣間見たように感じました。
お時間があれば、是非!