最終話 初恋の人が旦那さま
ソレットさまを見ると、声を聞くと、どきどき。
最近では、ソレットさまの事を考えるだけでどきどきしてしまう。
「はあ……。何の
もし帰国するにしても、
冬の間を過ごす、コンテナハウス大学のある大きな町。その町に設置したコンテナハウスのテラス。
夜中に目が覚め、外の空気を吸いに出ていた。
冬の夜中は寒く、冷え冷えしている。だが、部屋の中の
体がとことん冷えない内に室内に戻らなければならないけれど、私は外の空気が好きだわ。
だから、少し外へ出て考え事をしていたんだけれど……。
「
後ろから聞こえた声に、飛び上がる程
こんな時間に人が出て来るとは思わなかったし、その声の主がソレットさまだったからだ。
「そ、ソレットさま?!」
「ああ。中から、レーテが外でじっとしているのが見えたんだ。
「起きていらしたのですか?」
「昼間、コンテナハウス大学の
それより」
ソレットさまはそこで言葉を切り、距離を
「何か
その
暗い屋外だというのに、
「あの、えっと……、たぶん……」
まだお医者さまに診て頂いていないから。だから、多分としか答えられない。
「その
力はさほど込もっていないが、だがしっかり腕を取られて質問を投げかけられる。
いつものソレットさまからは考えられない、乱暴な振る舞いにびっくりするわ。びっくりし過ぎて、返事をする事も、動く事もできずにいると……。
「本当は、もう少し自分の気持を確かめてからと、そう思っていたが……」
そう
「私は北の
レーテローゼ
男性に、こんな風に
え、まって。
それに、ソレットさまは、もっとお
後、レンザーレ
その時、当時のレンザーレ
レンザーレ
いかに北の大国と言われたディクーナサル帝国といえど、エルフに守護された
そのため、レンザーレ
「
だから……」
少し体が離れ、片手を
「どうか、断らないでほしい。レーテローゼ
顔は、これ以上赤くなれないくらい赤くなっていると思うわ。
心臓も、今までで一番どきどきとして、早い
『レーテローゼは
『これは、父上の教育方針の
不意に、兄上達に
「お医者さまにも、治せない
小さな声だったが、言葉が
闇の
「医者に治せない?医者に診察してもらわずに、
かちりと、その時、色々な事が
そうか、そうだったのね。
私、初めて恋をしていたのね。
だからソレットさまを見ると、声を聞くと、ソレットさまの事を考えるとどきどきしたのね?
「ソレットさま、プロポーズ、お受けいたします」
私は、こうして素晴らしい婚約者を
結婚する前に、お
「自分でもそう思っていた。
だが、レーテとグランドツアーをして、人らしい生き生きとした笑顔。明るい笑い声。
外を一緒に回れる喜び。
教育もしっかり身に付けていて、
いつの間にか、デーティングするようになっていたよ」ですって。
お父様!今時、深窓のご令嬢なんてもう古いのよ! ―伯爵令嬢は、旅をして婚約者を見付ける― なるえ白夜 @byakuyabito
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