第2話 軽々と

「飯の時間だぞ〜」

役人が罪人の朝食を持ってきた。

「信雄。出てこい飯だ」

…誰も返事はしなかった。

「ん?檻の数が少ないぞ?もしかして……」

「そのもしかしてだ」

役人は肩を叩かれ、後ろを向いた。そこには信雄を立っていた。

「お前!!!!!!何してんd」

役人が刀を抜いたと思いきや、もうすでに地面に倒れていた。

「もう俺は罪人ではないんだよ」

「!……(武士でもないのに刀を⁉︎)」

信雄はゆったりと廊下を歩いていた。役人の掛け声が聞こえる。

「いたぞあいつだ!」

役人は狭い廊下に10人ほどいた。さらに後ろからも20人ほど来た。完全に挟み討ちにされてしまった信雄だが、全く慌てていない。実は、あの刀を持つと、不思議と危機感がなくなるのだ。

「うぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」

いよいよ役人たちが襲いかかってきた。信雄は刀を出すと、視認できないほどのスピードで役人と役人の刀を斬っていく。

一気に前の5人を斬り倒すと、後ろから役人が斬りかかってきた。刀が信雄の首元に到達する瞬間、信雄が消えた。

「なんだ⁉︎」

役人たちが戸惑う暇もなく、廊下のかなり奥の方から信雄が勢いよく刀を振りながら飛んできて、一気に10人を斬った。

「来たうぉぉぉぉぉぉぉ」

次々と来る刀を軽々と避けながら役人たちを斬っていく。しかし役人たちは次々と来る。

「次々と湧いてくるゴミども……」

彼は刀を勢いよく上に向けた。すると刃先から稲妻が撃たれ、周囲の役人たちが石化してしまった。

「なんだアイツ!!!!!!」

「ば、化け物!!!!!!」

流れるように、残像が見えるほどのスピードで役人たちを斬っていく。いつしか広い部屋に着いていた。

周りには役人が大勢いて、刀を信雄を向ける。

「何人いても雑魚は雑魚だ」

突然彼は刀を回転させながら投げた。すると信雄は消え、刀だけが回転しながら残っていた。

「なんだ⁉︎」

刀は壁にぶつかると、急にスピードを上げ、跳ね返ってきた。跳ね返った刀は反対側に飛んでき、その場にいた役人たちを斬り刻んだ。

「えぇ⁉︎」

しかも刀は止まることを知らず、むしろ勢いを増すまま部屋内を飛び交う。飛び交うと同時に役人が斬り刻まれていく。

「……何度も言うが、雑魚は何人いても雑魚だ」

信雄は刀をキャッチすると、目を細めた。彼には、壁が透けて見えている。

「いた………」

見つけた役人に一瞬で間合いを詰めて、斬る。まるでゴミを捨てるかのように軽々と人を殺めてしまった。しかしこの刀を持った彼はそんなこと微塵も思わないのだろう。

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残虐な人でも更生できますか? まめでんきゅう–ねこ @mamedenkyu-neko

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