残虐な人でも更生できますか?

まめでんきゅう–ねこ

第1話 謎の少年

江戸時代…。罪人たちが収容されている牢屋。どれも機嫌の悪そうな顔や態度をしており、近づきたくもない。

その中に、1人嘆き悲しむ若い男がいた。自身の行いを後悔しているのだろう。

彼の名は信雄のぶお。盗みを犯し、牢屋に入れられているのだ。

俯いて、今にも倒れてしまいそうな重い頭を手で支える。彼の目には、光るものがあった。

「…まぁ元気だしなよ」

「…!」

役人の怒鳴り声ではなく、聞きなれない、温かい少年の声。信雄はあまりの驚きに頭を上げた。

牢の前には少年がいた。ニヤリと笑った表情は、信雄を馬鹿にしているようにも見える。

「…なんだ。舐めてんのか?」

「落ち着いて。まぁ安心しなさい」

「あぁ?大体誰だよお前。俺を馬鹿にするためにわざわざここまで来たのか?」

「そんな暇ねぇよ。あなたは確か、盗みを働いて捕まったんだっけ?」

「……なんで知ってる」

「細かいことは気にせず。他人から見ると、反省してるようにも見えるけど、本当は脱走してやりたい!って思ってんでしょ?」

「……何故わかるんだ」

「子供の勘だよ。けど強くないからどうせ反撃されると、思っているんだ」

「……なんか悪いか?」

「いーや、全然悪くない。むしろ……ね?あなたにこの刀を渡そう」

少年はどこからか、刀を出した。

「この刀は、あなたに強力な力を与える。誰もあなたを邪魔することはできない。あなたは好きなことを好きなだけできるんだ。どう?素晴らしいと思わない?」

「………………」

「どうしたの、ほら立て。役人どもを斬って、この世の王となるのだ!!!!!!」

少年は檻に触れると、檻が一瞬で消えた。

「是非、モニターを頼む」

「も、もにたー?なんだそれ」

「えっとね、まあ簡単に言えば使ってみろよって感じ〜?」

「フッ、面白いガキだ。使わせてもらうぞ」

「ご協力ありがとうございます。じゃあ、そうだねぇ。3年ぐらい経ったらまた戻ってくるから、感想考えといて」

少年は言い終わると、消えてしまった。

「……神は俺を見捨てていなかったようだな。さぁてと、罪人の恐ろしさ。目ん玉の中まで見せてやるぜ!!!!!!」

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