第4話

開花から数年。アペルは建物から顔を出した。

焼け焦げた土地。そして渦巻くどす黒い感情。

「そろそろ出れる頃だろう。」

アペルは久しぶりに大空を羽ばたいた。

「ははは、はははは、はははははははは。ざまぁみろ!あの時俺たちの忠告さえ聞いてれば!」

「変わったね俺たち。」

いつの間にかエペルは並走していた。

「俺たちは自分の手で種の強制進化をしたんだ。自分で自分を救世主として選んだんだ!最高だ!」

「いつしか俺らもあの老いぼれどもと同じになるんだろうか。死んでもお断りだがな!人間はもうしばらくの間は俺らの自治区を邪魔しないだろうな。」



こうして2人は妖精達の英雄となった。

歴史を繰り返す可能性を孕みながらも。

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老いる花 績カイリ @sekikairi

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