第3話
ある日唐突に地面が音を立て揺れ始めた。
エペルの建物にいた妖精達は羽で飛んでいながらも地が揺れることの恐怖を感じていた。
モニターが警報を鳴らした。
「アペル!時が来た!」
エペルが叫んだ。アペルが急いでモニターの前に立ち、あたかも待ち望んでいたかのように目を輝かせモニターを見た。
「この中は安全だよな。"あぁ"そうかそうか。ふふふふははは。」
「高笑いの模範だな。」
「それゃそうだろ。あの老いぼれどもは間違っていた!俺たちの話を聞かなかったその罪が今罰せられるんだ!」
「随分とねじ曲がったな。アペル。…とはいえ俺も笑いそうだが。」
2人で笑い合っていると、エペルを慕う小さな妖精が2人の元へやって来た。
「ねえねえこれから何が起こるの?」
「そうだね。あの筒からエネルギーが出て…ひどいことになるだろうね。」
「僕達は大丈夫?」
「もちろん。あの会議の日からずっと対策を練っていた。この建物は特にそうだ。ここにいな。ここが一番安全だ。」
ほどなくしてエペルの想像通り空に灰色の花が咲き、熱い産声をあげた。
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