第2話
部屋は淡緑と桃色で出来ていた。机も植物から出来ている。それにそぐわぬ緊迫した空気。
「お集まりありがとうございます。」
いかにも中年の妖精が話し始めた。
「本日はアペル君とエペル君が出した議題についてです。それでは後は2人、よろしく。」
アペルが立ち上がる。
「本日お集まりいただいたのは私達の森の北西の海岸に建てられた灰色の筒の対処についてです。」
どこからか笑い声が上がった。
「どうせあれも人間の…なんだっけ?ビア?"ビルです"あぁそうそうビルだろ。別にいつものことじゃないか。ねえ」
エペルも立ち上がる。
「いえ、あれはどうもいつもと違います。中からエネルギーが放出されています。いずれ我々にとっての脅威となりかねません。」
長老のシワだらけの口が動いた。
「エペル君。人間とは今日とも会っているんだよ。あれは悪い顔じゃないよ。私の経験がそういっている。ハッハッハッ。それにね、仲良くしようって宣言したばかりなんだよ。あれがなんだかはわからないけど…まぁ大丈夫だろう。そんなことより今日の晩餐会なんだが…」
「何が晩餐会だ!」
アペルは激昂した。
「明らかに今までとは違う!エネルギーが放出されたら我々は危ない!種の存続の危機だ!経験で物言ってる場合じゃないんだ!恥を知れ!」
「アペル。口を慎め。」
中年の妖精が主導権を取り返した。
「まぁ、今日はこんなところで。解散しよう。」
長老は会議を終わらせた。アペルとエペル以外は足早に会議室を去った。
アペルは黙り込んでしまった。
「まあ楽天主義の老いぼれなんてあんなもんだ。」
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