醜い者が、美しいモノに気づく。

凄惨な光景が当たり前に転がっていた時代、理不尽に生きる道を乱され、壊された者同士がその傷を絆へと変えていく。
恨み、妬み、人の醜さに辟易としながらも生きる事を強いられた男。
幸せを壊され、縋るものをなくし偽りの優しさに縋りついた人外の稚児。
童女は女と変わり、男は迷い、惑う。

幸せとは何か、感じ、考え、自分を振り返りたくなる切なる物語り。

きっと、本当の救いとは神にも、怪異にも叶え得ず。

互いを受け入れてこそ───


……深く、深く考えさせられるお話でした。

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きつねよめ